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マニュアル作成の基本のフローとは?運用ルールの作成とともに解説

マニュアルをどう作ればよいのか、何から始めればよいのか・・と悩んでいる方。
マニュアルを作るにあたって、以下の5ステップで始めてみてください。

目次
マニュアル作成の基本のフロー
マニュアル作成における運用ルールのポイント
まとめ

マニュアル作成の基本のフロー

それではさっそく、マニュアル作成の基本フローについてみていきましょう。
基本フローは次のような5つのステップからなります。

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STEP 1:マニュアルの使用シーン・目的を決定する

マニュアル作成の基本フロー第一段階は、マニュアルが使用されるシーンと目的を決定することです。

作成する際には、「誰が」「どこで」「どのような目的で」使用するのか想定したうえで内容を決定するようにしてください。
するとマニュアルの役割が自ずと定まってくるはずです。

使用シーンと目的は、マニュアルの内容を決定づける要素です。
設定された対象読者となる利用者と、利用する場所や使い方は基礎となります。
作成中に本文の方向性がずれてしまわないように、最初に使用シーンや目的を決めておきましょう。

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利用者(対象読者)

マニュアルが使用されるシーンと目的を考えるうえで大切なのが、読者・利用者を想定することです。

どのような人が使用するのかを考えると、マニュアルの書き方や記載するべき内容もみえてくるでしょう。
知識のない新入社員に向けてのものか、ある程度経験を積んだ技術者向けのマニュアルかで記載するべき内容は変わります。

読み手の知識と経験のレベルを考慮することが、わかりやすいマニュアルにつながります。
対象読者に沿ったマニュアルを作成できれば、資料として長く活用されるはずです。

利用する場所、使い方

次にどのような場所で、どのような使い方をされるかを考えてみてください。
新入社員用の研修で使用されるのか、または作業中に困ったことがある場合に使用されるのかで記載するべき内容は変わります。

利用される場所と使い方を設定することは、マニュアルの媒体(データ・紙)や、データの仕様(紙のサイズ、ページ数など)に影響を与えます。
たとえば、現場で使用する際にスマホやタブレットを用いることで、作業の途中でも確認しやすくするなどです。

実際の業務の現場で、どのような使われ方をするか想像したうえで作成を進めましょう。

達成したい目標・目的

最後に達成したい目標と目的について決定しましょう。
どのような目的でマニュアルを作成するのかを考えることも、本文の内容に影響を及ぼします。

目標・目的はさまざまなはずです。
たとえば作業の品質を均一にすること、作業効率化をはかること、知識を共有すること、初心者の教育などが具体例となります。

目標と目的を設定すれば内容に一貫性が持たせられます。
また不必要な内容を記載することもなくなり、作成時間の短縮にも役立つでしょう。
達成したい目標と目的は、マニュアルのゴールとなる重要なポイントです。

STEP 2:条件を取り決める

次に、マニュアル作成にあたって必要な条件を決めておきます。

• スケジュール(いつまでに完成させたいか)
• コスト(かけられる予算)
• 更新の頻度、条件
• その他、譲れない条件

忘れがちですが、マニュアル完成後の「更新」に関して、事前に検討しておくことをおすすめします。
ほとんどのマニュアルの場合、製品・サービスの仕様変更や業務内容の変化により、必ず更新が必要になります。
その頻度や修正量、担当者等の条件をあらかじめ決めておくことで、初回のマニュアルの作り方が変わってきます。

STEP 3:マニュアルの仕様を決める

次にマニュアルの仕様を決定します。

マニュアルの仕様は読者・利用シーン・目的などに基づいて決定されるものです。
必要とされる内容をあらかじめ決めておきます。
基本的な内容が決まったら、どの業務に対して、どのくらいの量の情報を掲載するべきかも決めましょう。

ただし、業務を細かくマニュアル化すると、業務を行う人の裁量が減り、フレキシブルな対応がしにくくなります。
たとえば技術領域の業務の場合、個人の経験や感覚によるところが大きいので、一概にマニュアルにできないこともあります。

マニュアル化する部分を明確にしてから仕様を決定することも大切です。

STEP 4:必要な物(モノ・ソース・ヒト)を準備する

次に、マニュアル作りに必要なものを準備します。

• 作成に必要なモノ(環境、ツール)
• マニュアルの基となるソース(情報)
• 作成するヒト(体制)

作成に必要なモノ(環境、ツール)

何のツール(アプリケーション)を使ってマニュアルを作るのか、そのマニュアルの特長(デザイン性、分量、提供媒体等)に応じて選択してください。くわしくは、「DTPとは?(マニュアル作成編)」をお読みください。

マニュアルの基となるソース(情報)

マニュアルを作るには、その基となる情報が必要です。

操作マニュアル

• 既存資料(旧製品・類似品マニュアル、改訂前マニュアル、問い合わせ履歴、等)
• 設計資料(概要書、設計仕様書類、等)
• 実機操作(試作機、デモ環境、等)

業務マニュアル

• 既存資料(既存マニュアル、個別メモ)
• 現場取材・撮影、ヒアリング

作成するヒト(体制)

マニュアルを作る担当者(チーム)を決めます。専任が望ましいですが、他業務との兼任となる場合は、他業務の状況も踏まえて無理のないスケジュールを組むことが大切です。

STEP 5:マニュアルの構成を決める

マニュアル作成の基本フローの最後は、構成を決めることです。
構成はマニュアルの読みやすさやわかりやすさを決める、最も重要なポイントといえます。

構成はマニュアルの内容を決めるものです。
決めずに本文の作成を進めてしまうと、内容が多くなりすぎて時間ばかりがかかってしまうことがあります。
反対に盛り込むべき内容に抜けや漏れが生じることもあるでしょう。
また構成がしっかりとしているマニュアルは検索性もよくなります。

まずは目次を作り、目次に対して記載するべき内容を決めて構成案を作成しましょう。
構成を念入りに作れば肉付けをしていくだけで本文が完成します。
マニュアル作成の基本フローとして、構成作りは欠かせないものです。

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マニュアル作成における運用ルールのポイント

マニュアル作成で基本フローとともに押さえておきたい、運用ルールのポイントについ解説します。

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ポイント1:管理者を決めること

マニュアルを運用する際には、管理者を決めておきましょう。
管理者がいれば定期的に本文の内容確認を行うことができ、適切なときに修正や改善の呼びかけができるようになります。

運用していくと、作成時にはわからなかったことがみえてくるものです。
マニュアルの記載がわかりづらかったり、不足している部分がみつかったりすることもあるでしょう。
また常に最新の情報に更新していると、必要性の高いマニュアルだと感じてもらいやすくなります。

以上のようにマニュアルは運用していく中で、改善をかさねる機会が訪れるはずです。
改善が必要となった場合に、内容の調整をはかるのが管理者の役割です。

ポイント2:ヒアリングを行い、改善をはかること

運用の中で欠かせないのが、読者へのヒアリングです。
ヒアリングによりフィードバックを受けてはじめて、不足点や不明瞭なところがわかることもあります。
また実際に運用してみると、マニュアルが業務の内容に沿っていなかったと判明することも考えられます。

作成者は読者とは違う観点からマニュアルを眺めるものです。
作成者がわかりやすいと感じていても、読者は不足を感じることもあるでしょう。
実際に使用する人がどのように感じているかヒアリングを行い、さらに内容に磨きをかけていきましょう。

ポイント3:マニュアルの更新は共有すること

ヒアリングからマニュアルの更新を行った場合は、更新したことを共有することも忘れてはなりません。
以前のマニュアルを参照されることを防ぐためです。

情報が共有されなければ、更新されたことに気が付かず、以前のマニュアルを参考にしてしまう社員がいるかもしれません。
参照するマニュアルが人により違うと、業務にばらつきが生じてしまいます。
内容を更新したらすぐに全社員に情報を共有してください。

ポイント4:古いマニュアルは削除しないこと

マニュアルを更新した場合でも、古いマニュアルは削除せず残しておきましょう。
古いマニュアルが必要となることがあるかもしれないためです。

たとえば更新前のマニュアルのほうがわかりやすかったとの意見が出ることもあります。
また更新前のマニュアルにしか使い方が掲載されていなかった、古い機材を再び使う機会が訪れるかもしれません。
古いマニュアルを削除してしまえば、また以前の内容に戻すために時間をかけなければならなくなります。

新しい内容への改善であれば有益な時間となりますが、以前の内容に戻す作業は時間のロスだと感じるでしょう。
労力と時間を無駄にしないためにも、改定前のマニュアルも保存しておくことをおすすめします。

まとめ

マニュアル作成でまず考えておきたい基本の3ステップ、いかがでしたか。
ぜひ上記をヒントにマニュアル作成の第一歩を踏み出してみてください。
もしお困りのことがあったら、ぜひFintecsへお問い合わせください。


つい読んでしまうマニュアル作成のリーディングカンパニー、株式会社フィンテックス

監修者

監修者の写真

中丸 貴仁

企画営業部 営業本部長 / 経営学修士(MBA)

<略歴>

フィンテックスにて、マニュアル作成に関する様々な顧客課題解決に従事。 金融系からエンターテインメント系まで様々な経験から幅広い業務知識を得て、「分かりやすいマニュアル」のあるべき姿を提示。500社以上のマニュアル作成に携わる。また、複数の大企業でマニュアル作成プロジェクトの外部マネージャーを兼務している。 趣味は茶道。

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