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マニュアル作成は何から始める?優先順位のつけ方を4象限で解説

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「マニュアルを整備しよう」と決めたものの、どの業務から手をつければよいか分からず、止まってしまっていませんか。

業務は数えきれないほどあり、どれも大事に見えます。かといって全部に着手すれば、現場の負担が一気に膨らみます。 今回は、マニュアル化する業務の優先順位をどう決めるのか、頻度と重要度の4象限で仕分ける方法を解説します。

目次
マニュアル作成が頓挫する原因と、その代償
優先順位を決める前に、業務を洗い出す
頻度と重要度の4象限で業務を仕分ける
象限の判断は、主観ではなくデータで
優先順位を決めたあとに起きがちな2つの失敗
まとめ

マニュアル作成が頓挫する原因と、その代償

すべての業務を一度にマニュアル化しようとする

マニュアル整備が途中で止まる原因の多くは、意欲の不足ではありません。最初に決めた範囲が広すぎることです。

全部署・全業務を対象にすると、対象業務は数百件に膨れ上がります。ヒアリングの日程調整だけで数か月かかり、マニュアルが書き上がった頃には、最初に取材した業務の内容が変わっています。

現場も同じです。通常業務を抱えたまま、業務の洗い出し・確認・修正が続けば疲弊します。結果として、完成前に力尽きるのです。

中断したプロジェクトは、次の一歩を重くする

途中で止まったマニュアル整備は、単に「何も残らなかった」では終わりません。
現場には「またあの話か」という空気が残ります。次にマニュアル整備を提案したとき、協力を得るのが以前より難しくなります。

だからこそ、最初に選ぶ範囲を絞り込むことが重要です。狭く始めて完成させたほうが、広く始めて中断するより、はるかに先に進めます。

優先順位を決める前に、業務を洗い出す

まずは全体像をつかむ

優先順位は、比べる対象がそろっていなければ決められません。順位づけの前に、自社にどんな業務があるのかを一覧にする作業が必要です。
この作業を業務棚卸と呼びます。部署ごとに担当業務を書き出し、業務体系表としてまとめていきます。

関連記事:
初めてでも安心!業務棚卸の基本と成功のポイントをわかりやすく解説

業務の粒度をそろえる

洗い出しでつまずきやすいのが、業務の粒度です。

たとえば、ある部署は「受注業務」とひとまとめに書きます。一方、別の部署は「受注メールの確認」「基幹システムへの入力」「納期回答」と細かく分けて書きます。この状態では、業務の重さを横並びで比較できません。

「1人の担当者が、ひとまとまりの単位として認識している作業」を1件と数える、といった基準を先に決めておきましょう。粒度がそろって初めて、次の仕分けが機能します。

頻度と重要度の4象限で業務を仕分ける

洗い出した業務は、2つの軸で4つのグループに分けられます。軸は、実行の頻度業務の重要度です。
それぞれの象限に、どんな業務が入るのかを見ていきましょう。

高頻度×高重要

毎日の受注処理、顧客対応、重要機器の操作などが該当します。

毎日繰り返される業務のため、1回あたりの効率の差が積み重なって大きな成果の差になります。また、ミスが顧客からのクレームに直結しやすく、品質管理の観点からも欠かせない領域です。

多くの企業が「まずここから」と考える象限であり、実際に優先度は高い業務群です。

高頻度×低重要

朝礼の進行、帳票整理、経費申請の手続きなど、毎日繰り返されるものの、内容としては単純な作業です。
重要度が低いように見えますが、ここが属人化すると組織は想像以上に困ります。たとえば、帳票整理のやり方が1人にしか分からない状態だと、その人が休むたびに業務が滞ります。

軽く扱われがちな一方で、現場の時間を静かに奪っているのがこの象限です。

低頻度×高重要

年次の決算対応、システムトラブル時の復旧手順、災害時の対応、年末調整などが入ります。

滅多に起きないからこそ、いざというときに正確に対応できる状態が必要です。経験者が社内に1人しかいないという状況は、リスクとして大きいと言えるでしょう。

普段は誰も困っていないため後回しにされがちですが、手順が失われたときの影響が最も大きい象限でもあります。

低頻度×低重要

数年に一度の備品交換、社内イベントの企画などが該当します。
この象限は後回しで構いません。優先度は最も低く、他の3象限が一巡してから検討すれば十分です。

関連記事:
属人化とは?その原因と対策のポイントを、業務マニュアル作成のプロが解説

象限の判断は、主観ではなくデータで

頻度は業務記録から測る

4象限に分ける作業で気をつけたいのが、「たぶん毎日やっている」という感覚で振り分けてしまうことです。

体感の頻度と実際の頻度は、しばしばずれます。月次の業務日報、システムの処理件数、受付台帳といった記録から、実際の回数を確認しましょう。

数字で見ると、重要だと思っていた業務が月に2回しか発生していなかった、ということも起こります。

重要度は顧客影響とリスクで測る

重要度も、担当者の思い入れではなく、外形的な基準で判断します。
判断の材料になるのは、次のような観点です。

  • その業務が止まると、顧客に迷惑がかかるか
  • ミスが起きたとき、金銭的な損失が生じるか
  • 法令や社内規程の順守に関わるか
  • 担当者が不在になると、業務が完全に停止するか

このうち複数に当てはまる業務は、重要度が高いと判断できます。客観的な基準を先に決めておけば、部署間で優先順位を議論するときの物差しになります。

セオリー通りなら「高頻度×高重要」から。ただし——

4象限がそろったら、いよいよ着手する順番を決めます。

経営学のセオリーに沿うなら、答えは明快です。高頻度×高重要の象限から着手します。投資対効果が最も高く、優先順位の原則としては正しい判断だと言えるでしょう。

ただし、現場を見てきた立場からは、別の提案もあります。マニュアル整備は、正しい順番で進めれば成功するとは限りません。現場の人がどの順番で「役に立つ」と感じるかによって、その後の定着率が変わってくるためです。

セオリー通りの順序が最善とは限りません。その理由と、推奨する着手順序については、記事末で紹介する書籍で詳しく述べています。

いずれの順序を選ぶにせよ、最初の1つを完成させ、現場に「使えた」という実感を残すことが出発点になります。ここを外すと、その後どれだけ正しい順序で進めても定着しません。

優先順位を決めたあとに起きがちな2つの失敗

最初から完璧を目指してしまう

対象業務を絞り込んでも、1件ごとに完璧を目指すと、やはり止まります。

写真も図解も網羅した決定版を作ろうとすると、1件に何週間もかかります。その間、現場には何も届きません。

まずは手順が伝わる状態で公開し、使いながら直していきましょう。未完成でも現場に出ているマニュアルのほうが、完璧を目指して手元にあるものより価値があります。

作りっぱなしで更新されない

もう1つの失敗は、完成した時点で終わりにしてしまうことです。

業務の手順は変わります。半年前の内容のまま放置されたマニュアルは、読み手から信頼されなくなり、やがて使われなくなります。

見直しの頻度と担当をあらかじめ決めておきましょう。優先順位の高い業務ほど、更新の仕組みもセットで考えておく必要があります。

関連記事:
マニュアル更新によって得られるメリットとしないことのリスク

まとめ

マニュアル作成の優先順位は、頻度と重要度の2軸で決められます。
進め方を整理すると、次の3ステップです。

  1. 業務棚卸で全体像をつかみ、粒度をそろえる
  2. 頻度と重要度の4象限に仕分ける
  3. 象限ごとの性質を踏まえて、着手する順番を決める

大切なのは、感覚ではなく記録と基準で判断することです。そして、範囲を絞って最初の1つを完成させることです。

どこから手をつけるべきか迷っている場合は、まずは業務の一覧を作るところから始めてみましょう。

関連記事:
業務マニュアルはどのように作成する? 流れやコツを詳しく解説

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