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マニュアル更新によって得られるメリットとしないことのリスク

マニュアルを作成したものの、一度作成したものがそのままになっているケースもあるのではないでしょうか 。ですが、有効活用していくためには定期的に更新することが大切です。

ただ「必要性は感じながらも更新にリソースを割けない」と感じている方もいるでしょう。
そこで、マニュアルの更新について課題を感じている方のため、更新するメリットや更新せずに放置してしまうリスクを解説します。この記事を読むことによって更新することの重要性がわかるようになるので、ぜひ参考にしてみてください。

マニュアル作成のコツ

目次
マニュアルの存在意義
マニュアルが使われないのはなぜ?
マニュアルを更新しないことのリスク
マニュアルを更新することのメリット
マニュアルを更新する仕組みづくり
定期的な更新で使いやすいマニュアルになる

マニュアルの存在意義

マニュアルは作業の流れや、システムなどの操作方法をまとめた資料のことをいいます。

例えば、仕事のやり方がまとめられているマニュアルを参照すれば指導者がいない時でも仕事の流れなどを把握可能です。マニュアルを見れば簡単に解決できるようなことであれば、わざわざ指導者に時間を取ってもらい、指導を受ける必要もなくなります。

また、ユーザー向けのマニュアルを作成しておけば、何らかのトラブルが起こった際にユーザー自身で解決できるようになるケースも多いです。企業への問い合わせ数を減らすことにもつながるので、ユーザー対応スタッフの人数も少なくて済むようになるでしょう。
このような理由から必要性が高いものです。

マニュアルが使われないのはなぜ?

マニュアルを作成したとしても、それだけで活用されるようになるとはいえません。思っていたように使われない場合、以下のような原因があります。

見にくい・わかりにくい

作成されたマニュアルが見にくかったり、わかりにくかったりする場合は参考にする人が徐々に減っていきます。
見にくいと感じる理由はいくつかありますが、ページや見出しによって異なるフォントが使われている、不必要な装飾がされている、画像や図・表などが使われておらず文章だけが並べているなどが代表的な理由です。

マニュアルは知りたいことがあるときや困ったときに使うものなので、その問題をすぐに解決できるようなわかりやすさが求められます。一人で作成を担当してしまうとその人にとってはわかりやすいものの他の人からするとそうではないマニュアルになることもあるので、注意が必要です。

更新 頻度・担当のルールがない

更新 頻度や担当に関してルールが定められていないマニュアルは、内容がアップデートされず古い情報が掲載されている可能性があります。
このような情報を参照しても参考にならないことから、使われないケースが増えてしまうでしょう。

内容が役に立たない

マニュアルに書かれている説明が抽象的で伝わりにくい場合は、マニュアルを参照する時間が無駄になることもあります。また、求めている情報が記載されていなかったり、的外れな回答が書かれていたりする場合も役に立ちません。

内容が役に立たないと判断したものをもういちど参照する人はいないでしょう。
「とりあえずマニュアルを作ろう」とだけ考えてしまうと、中身が充実していない形だけのものができあがってしまう可能性があるため、注意しなければなりません。

現場の実情との乖離

マニュアルの内容が現場の実情とかけ離れたものになってしまうと活用が難しくなります。

例えば、業務フローに変更があったのにそれが反映されておらず、古いやり方が記載されているようなケースもあります。
情報が古いマニュアルは困ったことがあった際に参照しても必要な情報が得られません。こういったマニュアルは使用されなくなります。

マニュアルを更新しないことのリスク

「更新したほうが良いのはわかっているものの、そのためには人件費と費用がかかる」との理由から悩んでいる方もいるでしょう。ですが、マニュアルを更新しない場合は以下のようなリスクがあります。

属人化につながる

マニュアルが整備・更新されていないと、トラブルなどが発生した際に一部の従業員でしか対応できない属人化の状態になってしまう恐れがあります。属人化が起こるとその人物に業務が集中してしまう可能性も高いです。
個人の負担が増えてしまうばかりか、作業者・担当者による品質の違いが大きくなります。

教育工数が増大する

新人教育を行う際、マニュアルを見てもらえばそれだけで解決するようなことも多くあります。ですが、古くて参考にならないマニュアルの場合、わからないことがあった際は指導者に指導してもらわなければなりません。

これにより教育工数が増大してしまいます。指導者の負担が増えるのはもちろんのこと、指導者不在の際は質問ができず、作業や業務の遅れにつながってしまう可能性も高いです。

マニュアルの形骸化が起こる

マニュアルが形だけのものになり、形骸化してしまうケースがあります。これは情報が古い、役に立たないなどの理由から使う価値がないマニュアルになってしまった場合に起こりやすいトラブルです。
定期的な更新がされていない場合は形骸化しやすいといえます。

サービスの品質が低下する

最新の業務フローやルールが掲載されていないマニュアルを参考にしてしまうと、ミスやトラブルが発生しやすくなります。これによりサービスの品質が低下してしまう可能性があります。
クレームの増加や、従業員のモチベーション低下にもつながりかねません。

マニュアルを更新することのメリット

マニュアルを更新しないとリスクがありますが、更新することによりさまざまなメリットが期待できます。代表的なメリットは以下の3つです。

効率的な社員教育を行える

マニュアルは効率的に社員教育を行うためにも活用できます。ただ、そのマニュアルに古い情報が掲載されていると効率的な社員にはつながりません。
最新の情報が掲載されているマニュアルを参照するのがポイントです。

新人教育マニュアルを作成しておけば、社内で新人教育に必要な基礎知識の共有がしやすくなります。これは、指導者の負担軽減にもつながるポイントです。
また、新人のうちはまだ経験や知識がないことから説明されても十分に理解できないことがありますが、そういった場合もマニュアルで振り返ることにより理解を深めていけるでしょう。

トラブル・クレームのリスクを最小化できる

適切にマニュアルを更新することによってトラブルやクレームのリスクを抑えることが可能です。

例えば、業務内容が変わることによって、業務上で注意しなければならないことが変化するケースもあります。このような場合はマニュアルを更新し、新たな注意点を周知しなければなりません。

また、製品に関するマニュアルの場合、適切に更新されていないとユーザーがトラブルなどに対応できなくなりクレームにつながってしまう恐れがあります。場合によっては古いマニュアルに記載されている間違った方法でトラブルに対処してしまい、状況が悪化する可能性もあるので注意しましょう。

現場の課題が発見できる

マニュアルを更新する過程で、現場が抱えているさまざまな課題が可視化できるケースがあります。マニュアルを作成する際には、業務プロセスをフローチャート化した上で作成に取り組んでいかなければなりません。

定期的にこれらの作業を行うことで問題が発生しやすい箇所や、見直しが必要な業務プロセスが見えてくることも多いです。現場の課題を解決していけば、より良い職場環境を目指すことにもつながります。

更新を定期的に行い、現場が抱えている課題解決につなげましょう。

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マニュアルを更新する仕組みづくり

適切なタイミングでマニュアルを更新しようと考えても、具体的に誰がいつ行うのかを決めておかないと更新が難しくなってしまう可能性があります。
そこで、担当の設置と更新タイミングやルールの明確化を済ませておきましょう。それぞれ解説します。

担当の設置

マニュアルの更新を取り仕切る管理担当者を選任しましょう。誰かが気づいた時に更新を検討する形にしてしまうと、なかなかうまくいきません。
業務内容に変更などがあった場合は、マニュアルの管理担当者が忘れずに更新を行うようにします。

大企業の場合は一人ですべてのマニュアルを管理するのが難しくなるため、複数人の管理担当者を設定しておくことが大切です。管理担当者は自身の判断だけで進めてしまうのではなく、現場の声を聞きながらマニュアルをより良いものに改善していきましょう。
改善要望のヒアリングを行い、その内容について現場の担当者などと話し合ったうえでマニュアルを更新するのがポイントです。

更新タイミング・ルールの明確化

いつ更新するのかタイミングとルールを事前に定めておきましょう。複数人の管理担当者がいる場合はその管理担当者ごとに更新のタイミングを設定しても問題ありません。
どういった形で更新を行っていくのかルールを決める際は、マニュアルの管理担当者同士で話し合いをし、同一のルールを用いると良いでしょう。

また、マニュアルごとや、毎年○月などのタイミングで設定する方法もあります。もちろん、社内のルールが変わったり、商品の仕様が変わったりした場合はそのタイミングですぐに更新しなければなりません。
誤字・脱字など緊急性はないものの修正が必要なポイントがある場合は、一定数を超えたタイミングで更新しましょう。

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定期的な更新で使いやすいマニュアルになる

いかがだったでしょうか。マニュアルの更新について解説しました。
更新することなく放置した場合のリスクもご理解いただけたかと思います。定期的に内容を見直して必要に応じて更新していくようにしましょう。そのためには更新しやすいマニュアルを作成することも重要といえます。

マニュアルコンサルティングを行っているフィンテックスでは、各社のニーズに沿ったマニュアルの提案が可能です。それぞれの課題解決につながるようなマニュアルを提案しているので、お気軽にご相談ください。

つい読んでしまうマニュアル作成のリーディングカンパニー、株式会社フィンテックス

監修者

監修者の写真

中丸 貴仁

企画営業部 営業本部長 / 経営学修士(MBA)

<略歴>

フィンテックスにて、マニュアル作成に関する様々な顧客課題解決に従事。 金融系からエンターテインメント系まで様々な経験から幅広い業務知識を得て、「分かりやすいマニュアル」のあるべき姿を提示。500社以上のマニュアル作成に携わる。また、複数の大企業でマニュアル作成プロジェクトの外部マネージャーを兼務している。 趣味は茶道。

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