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マニュアルを整備しても問い合わせが減らない場合、内容ではなく、必要な情報へたどり着きにくいことが原因かもしれません。マニュアルには答えが書いてあっても、疑問に思った人がその記載に辿り着けないと、問い合わせという形で疑問を解消しようとします。まずは誰でも辿り着きやすい場所にFAQ(よくある質問)を置くことから始めましょう。
FAQの質問候補はマニュアルだけでなく、問い合わせログや検索語からも集めます。生成AIは候補の整理と回答案の作成を支援できますが、根拠の確認と公開の判断は人の役割です。本記事では、FAQの作成から更新までを支える7つのプロンプトと、問い合わせ削減につなげる運用・効果測定のポイントを紹介します。
目次
マニュアルのFAQ化とは?問い合わせが減らない理由
プロンプトを使う前に:そろえておく3つの材料
AIと人の役割分担:質問収集から公開・更新までの流れ
コピペで使える!マニュアルFAQ化プロンプト7選
AIが作った回答案を公開する前のチェック観点
問い合わせ削減につなげる3つの運用のコツ
FAQの効果と改善点を確認する4つの指標例
フィンテックスのマニュアル作成・問い合わせ削減支援
よくある質問(FAQ)
まとめ
マニュアルのFAQ化とは、章立てで書かれたマニュアルの内容を、読者の質問を起点にした一問一答形式へ再編集することです。マニュアルを書き直すのではなく、既にある情報を引きやすい形へ変換する取り組みと言えます。
このとき、回答は、最新版のマニュアル、社内規程、公式仕様など、組織が正本として承認した情報源から作成します。一方で、質問の候補はマニュアルの中だけでは集まりません。現場に寄せられた問い合わせログや、社内ポータルの検索語も重要な材料です。答えは承認済み情報源から、質問は現場の声からと整理しておくと、後の工程で迷いにくくなります。
通読して業務の全体像を学ぶマニュアルと、必要な箇所だけを引くFAQとでは、役割が別物です。両方がそろうことで、教育にも日々の確認にも対応できる文書体系になります。
マニュアルを整備しても問い合わせが減らない場合、考えられる構造的な理由は次の3つです。
たとえば、経費精算の期限を知りたい読者は、規程の章立てではなく、締め切りという言葉で探します。つまり、内容そのものではなく、情報への到達経路の問題です。FAQ化は、この到達経路を質問という現場の言葉で作り直す施策です。
FAQを整備すると、主に次の3つの効果が期待できます。
人手不足が続くなか、答えられる人の時間は年々貴重になっています。国立社会保障・人口問題研究所の推計では、2040年の生産年齢人口は約6,213万人まで減少する見通しです(令和5年推計)。これは複数の仮定に基づく推計であり、確定した数値ではありません。それでも、ベテランの時間を問い合わせ対応から解放する仕組みづくりは、その備えの第一歩と言えるでしょう。
※参照:国立社会保障・人口問題研究所「日本の将来推計人口(令和5年推計)」
FAQそのものの設計思想や、利用者視点での作り方を基礎から知りたい方は、次の記事もあわせてご覧ください。
関連記事:必ず役に立つ「FAQ」を作ろう CS業務改善につながる「FAQ」の作り方を解説
生成AIに渡す材料の質は、出来上がるFAQの質に直結します。プロンプトを実行する前に、次の3つの材料を準備しましょう。
古い版のマニュアルからFAQを作ると、誤った回答を量産しかねません。まず、元になるマニュアルが現行の業務と合っているかを確認します。改訂が止まっている場合は、FAQ化の前に該当の章だけでも更新するのがおすすめです。
また、用語や表記が整った原稿は、AIの出力のばらつきも抑えやすくなります。表記の点検には、校正・表記統一のプロンプトを扱った次の記事が役立ちます。
関連記事:マニュアルの校正・表記統一に使えるAIプロンプト7選【コピペ可】
ヘルプデスクへの質問メール、チャットの質問ログ、教育担当者が受けた質問のメモなど、現場の生の質問を集めます。社内ポータルやFAQシステムの検索語を取得できる場合は、それも加えましょう。量は多くなくても構いません。現場が実際に使っている言葉が入っていることが重要です。集める段階では、重複や表記の乱れを気にする必要はありません。分類と整理は、後からプロンプト2で対応できます。
AIに入力する前に、氏名・連絡先などの個人情報や、取引先名・金額などの機密情報を除去・置換するルールを決めます。あわせて、会社として利用が認められたAI環境かどうかも確認してください。入力データが学習に利用されない設定か、保存期間やアクセス権限がどう管理されるかも確認の対象です。この準備を省くと、情報漏えいなどの大きなリスクを抱えることになります。
7つのプロンプトは、1番から順に流すだけの手順ではありません。工程ごとに使うプロンプトを選び、要所で人が判断する、という組み立てで運用します。
FAQ作成の工程と、使うプロンプト・判断の主体の対応は次のとおりです。
| 工程 | 使うプロンプト | AIと人の役割分担 |
|---|---|---|
| 質問候補を集める | プロンプト1または2 | AIで候補を整理し、人が優先順位を確認する |
| 回答案を作る | プロンプト3 | AIで下書きし、人が根拠を照合する |
| 読者の言葉へ整える | プロンプト4・5 | AIで案を出し、現場が自然さを確認する |
| 分類・公開する | プロンプト6 | 分類案はAIが出し、情報設計と公開判断は人が行う |
| 更新する | プロンプト7 | 差分候補をAIで抽出し、人が反映する |
手元にマニュアルしかなければ、プロンプト1から始めます。問い合わせログがあるなら、プロンプト2で頻出質問の特定から入るのが近道です。両方ある場合は、2で優先順位を付けてから、1で不足を補う進め方も有効です。
プロンプト4・5は仕上げの工程にあたり、読者や運用状況によっては省略もできます。どの工程でも、公開してよいかどうかの最終判断は人の役割です。
小さく始めるなら、対象業務を1つに絞り、質問と回答を20個ずつ用意する最小構成で公開まで通すのがおすすめです。一連の流れを一度経験すると、自社に合う省略や追加の判断がしやすくなります。
ここからは、実務で使えるプロンプトを7個紹介します。< >の部分を、ご自身の状況に置き換えてお使いください。前章の対応表を目安に、手元の材料に合う工程のプロンプトから試してみましょう。
まず、読者がつまずきそうなポイントをマニュアル本文から洗い出し、質問の形で書き出します。
あなたは業務マニュアルの編集者です。
以下のマニュアル本文を読み、このマニュアルの読者(<例:入社1年目の営業事務担当者>)が業務中に実際につまずきそうな箇所を質問形式にして、20個抽出してください。
# 条件
- 質問は読者が使う話し言葉で書く(例:「〜のときはどうすればいいですか?」)
- マニュアルに答えが書いてある質問と、書かれていない質問に分ける
- 書かれていない質問には【回答未記載】と付ける
- 出力は表形式(No/質問文/根拠となる見出し名/記載有無)
# マニュアル本文
<ここにマニュアル本文を貼り付け>
【回答未記載】が付いた質問は、マニュアルの改善候補リストとしても活用できます。FAQ化と同時にマニュアルの穴も見つかる、一石二鳥のプロンプトです。
実際の問い合わせ記録がある場合は、問い合わせログをAIで分類し、内容の近い質問をグループにまとめます。ただし、生成AIによる件数集計は正確とは限りません。AIには分類と代表質問の作成を依頼し、グループごとの件数は問い合わせ管理システムや表計算ソフトで集計します。
プロンプトを使う前に、問い合わせごとに重複しない管理IDを付けてください。
以下は社内に寄せられた問い合わせの一覧です。
FAQを作るために、内容の近い質問をグループに分類してください。
# 条件
- 問い合わせごとに、該当するグループ名を1つ付ける
- グループごとに「代表質問文」を1つ提案する
- 元の問い合わせに付けた管理IDを変更しない
- 個人名や取引先名が含まれる場合は「Aさん」「B社」に置き換えて出力する
- 件数は集計せず、次の2つの表を出力する
1. 管理ID/問い合わせ内容/グループ名
2. グループ名/代表質問文/該当する管理ID/傾向メモ
# 問い合わせ一覧
<管理IDを付け、氏名・メールアドレス等を削除した問い合わせログを貼り付け>
AIによる分類結果を確認したあと、表計算ソフトのピボットテーブルやCOUNTIF関数などで、グループごとの件数を集計します。分類はAI、正確な件数集計は問い合わせ管理システムや表計算ソフト、と役割を分けることで、集計誤りを防ぎやすくなります。確認した件数をもとに、回答を作る順番やFAQの並び順を決めましょう。
FAQ化の中心となるプロンプトです。回答は、最新版のマニュアル、社内規程、公式仕様など、組織が正本として承認した情報だけを根拠に作成します。本記事ではマニュアルを主な情報源としますが、マニュアルに記載がない場合は、別の承認済み資料を確認します。
あなたは社内FAQの編集者です。
以下の「質問リスト」への回答案を、「承認済みの情報源」だけを根拠に作成してください。
# 条件
- 回答は結論から書き、原則3文以内にまとめる
- 提供された情報源に根拠がない質問には、回答を創作せず【要確認:承認済み情報源に記載なし】と出力する
- 情報源同士で内容が食い違う場合は回答を作らず、【要確認:情報源間で不一致】と出力する
- 各回答の末尾に、根拠にした資料名・版数・見出し名を付ける
- 文体は「です・ます調」
# 質問リスト
<プロンプト1・2で作った質問を貼り付け>
# 承認済みの情報源
- 資料名:
- 版数・更新日:
- 本文:
<最新版のマニュアル、社内規程、公式仕様などを貼り付け>
根拠がなければ回答を作らないという条件が、AIのもっともらしい創作への予防線になります。資料名・版数・見出し名を残しておくと、人が回答案を原本と照合しやすくなります。情報源に不一致がある場合は、FAQを公開する前に正本を確定してください。
同じFAQでも、読者が新人か経験者かによって、適切な粒度は同じではありません。
以下のFAQの回答文を、2種類の読者向けに書き分けてください。
# 読者
- パターンA:この業務が初めての新人(専門用語に説明を付け、1回答5文以内)
- パターンB:業務経験3年以上の担当者(要点のみ、1回答2文以内)
# 条件
- 事実や手順の内容は変えない(表現だけを変える)
- 書き分けによって意味が変わる恐れがある場合は、その旨をコメントで指摘する
# FAQ
<書き分けたいFAQを貼り付け>
読者像に迷う場合は、まず新人向けだけを作る進め方でも問題ありません。経験者向けの短縮版は、現場から要望が出てから追加すれば十分です。
FAQは、質問文が読者の検索語と一致してはじめて機能します。ここでは質問文を、読者(現場の従業員)が使う言葉に置き換えたパターンへ広げます。
以下のFAQの「質問文」について、読者(現場の従業員)が検索で使いそうな言葉に
置き換えたパターンを、それぞれ3つずつ作ってください。
# 条件
- 正式名称だけでなく、現場での通称・略称・ひらがな表記も想定する
(例:「旅費精算システム」→「経費のシステム」「精算画面」)
- 質問の意味は変えない
- 出力は表形式(元の質問文/言い換え1/言い換え2/言い換え3)
# FAQ質問文リスト
<質問文の一覧を貼り付け>
言い換えパターンは、FAQ本文に併記するほか、検索用のタグやキーワード欄に登録するのも有効です。言い換え案が現場の実感と合っているかは、その業務の担当者に確かめてもらいましょう。
FAQが30問を超えたら、読者が目的の質問を探すための分類が必要です。
以下のFAQ一覧を、読者が目的の質問を見つけやすいカテゴリに分類してください。
# 条件
- カテゴリは5〜8個。「その他」は全体の1割以下に抑える
- カテゴリ名は読者の行動や場面の言葉にする(例:「申請するとき」「エラーが出たとき」)
- 各カテゴリ内は、利用頻度が高そうな順に並べる
- 分類に迷ったFAQは、迷った理由と候補カテゴリを2つ挙げる
# FAQ一覧
<FAQ一覧を貼り付け>
出力された分類案は、あくまでたたき台です。最終的なカテゴリ構成と公開の判断は、FAQを運用する担当者が行います。カテゴリ名を具体的な業務場面にしておくと、目的の質問へたどり着きやすくなります。
FAQ運用で課題になるのが、マニュアルとFAQの双方を漏れなく直し、情報の食い違いを起こさないことです。
業務マニュアルを改訂したため、既存のFAQに古い記載が残っていないかを確認します。
# 条件
- 「改訂後マニュアル」の記載だけを正として、「既存FAQ」と突き合わせる
- 内容が食い違う可能性のあるFAQを挙げ、食い違いの内容を1行で要約する
- 修正後の回答文の案も併記する。ただし最終判断は人が行う前提で、
修正案には【要確認】マークを付ける
- 出力は表形式(FAQ No/食い違いの内容/修正案)
# 改訂後マニュアル
<改訂した章・節を貼り付け>
# 既存FAQ
<FAQ一覧を貼り付け>
AIによる検出には見落としの可能性が残ります。重要な改訂箇所は、人の目でも既存FAQと突き合わせてください。
なお、プロンプト7選を1つの資料にまとめた「業務マニュアル用プロンプト集④(FAQ化編)」もご用意しています。記入例付きのため、社内で共有する際にご活用ください。
プロンプトで生成したFAQは、確認と修正を前提としたたたき台です。公開する前に、人の目で次の4点を確かめましょう。
| チェック観点 | 確認する内容 |
|---|---|
| 事実確認 | 回答が現行の業務ルール・システムと一致しているか(参照先の内容と突き合わせる) |
| 質問文の妥当性 | 現場が実際に使う言葉になっているか。質問として不自然でないか |
| 回答の形 | 結論が先頭に来ているか。1回答が長すぎないか(目安3文以内) |
| 責任の所在 | 判断が必要な質問に対して、誰に確認すべきかが示されているか |
特に注意したいのは、AIの回答がもっともらしく整っている場合です。文章の完成度と内容の正しさは別物です。プロンプト3で出力した参照先の見出しをたどり、原本のマニュアルと突き合わせてください。
修正が多発する場合は、材料に立ち返り、マニュアルの鮮度や質問の集め方を見直すと、次回以降の精度改善につながります。あわせて、公開の責任者と確認記録の残し方も決めておきましょう。誰がいつ確認したかが分かれば、改訂時の見直しに迷いません。
FAQは作って終わりではなく、問い合わせ対応の動線に組み込んではじめて効果が出ます。
問い合わせが来たら、口頭で答えて終わりにせず、該当するFAQのリンクを添えて返すのが基本です。FAQにない質問だった場合は、その場で追加候補として記録しておきます。この積み重ねで、聞くよりFAQを見るほうが早い、という認識が現場に定着していきます。
FAQの置き場所も、動線の一部です。社内ポータルの目立つ位置や、業務システムのヘルプ画面など、現場が開きやすい場所に置きましょう。
月に1回程度、新しく届いた問い合わせをプロンプト2で分類し、FAQへ追加していきましょう。問い合わせ窓口を持つ部門(総務・情報システム・コールセンターなど)ほど、この改善ループの効果は大きくなります。
フィンテックスが実際に受け付けた問い合わせ1,000件を分析した記事も、傾向把握の参考になります。
関連記事:フィンテックス宛てのお問い合わせ1,000件について調査・分析してみた
コールセンターのように問い合わせ対応が中心の現場では、マニュアルとFAQの連携がいっそう重要です。
関連記事:コールセンターで使われるマニュアルとは?内容やポイントも紹介
マニュアルを改訂したら、プロンプト7で食い違いの候補を検出し、FAQも同じタイミングで更新します。FAQ更新までをマニュアル改訂の完了条件にしておくと、不整合の発生を防ぎやすくなります。
FAQの土台であるマニュアル自体の更新については、次の記事が参考になるでしょう。
関連記事:マニュアル更新によって得られるメリットとしないことのリスク
FAQ公開後の状況を体感だけで判断せず、数字で確認すると、効果と改善すべき箇所を見つけやすくなります。ここでは、問い合わせ削減の成果を確認する指標と、FAQの不足や分かりにくさを見つける診断指標を合わせて4つ紹介します。すべてを一度に導入する必要はなく、現在のシステムで取得できる指標から記録を始めましょう。
| 指標例 | 何が分かるか | 測り方の例と注意点 |
|---|---|---|
| 問い合わせ件数 | FAQで扱うテーマの問い合わせが減ったか | 同じ分類基準で月次集計し、公開前後の同じ長さの期間を比較する。繁忙期などの季節要因も確認する |
| 回答後の解決回答率 | FAQを読んだ利用者が解決したと回答した割合 | 「解決した」の回答数を「解決した+解決しなかった」の回答数で割る。未回答者は含まれないため、実際の自己解決率そのものではないと明記する |
| 検索結果ゼロ件率 | 検索されたものの、該当するFAQが表示されなかった割合 | 検索結果0件の回数を全検索回数で割る。結果0件だった検索語は、新規FAQや検索用キーワードの候補として記録する |
| FAQ閲覧後の問い合わせ到達率 | FAQを閲覧したあとも問い合わせに進んだ割合 | 同一セッションなど、あらかじめ定めた範囲で「問い合わせ到達数÷FAQ閲覧数」を計算する。個人情報・アクセス解析の社内ルールを確認して計算する |
FAQ公開前の数値を残しておくと、公開後の変化を比較できます。まずは直近3か月程度の問い合わせ件数を、同じ分類基準でテーマ別に集計しましょう。公開後も月次で記録し、3〜6か月程度の推移を確認します。繁忙期や制度変更など、FAQ以外の要因で問い合わせ件数が変わる場合もあるため、単純な公開前後の差だけで効果を判断しないことが大切です。
検索ゼロ件キーワードは、FAQへの追加候補そのものです。FAQ閲覧後の問い合わせ率が高い項目は、回答文の言葉や構成に改善余地があると考えられます。数字を眺めて終わりにせず、プロンプト2や5と組み合わせて改善へつなげましょう。
フィンテックスは1987年の創業以来、500社以上のマニュアル制作を支援してきた専門会社です。マニュアル本文の作成だけでなく、FAQや問い合わせ対応コンテンツへの展開まで、現場で使われる文書としての設計を大切にしています。
サービスは、熟練ライターによる「伴走型マニュアル作成代行」と、AIを活用する「AI活用型マニュアル作成代行」の2本立てです。お客様の情報は秘密保持契約(NDA)と社内管理体制のもとで取り扱い、お客様のデータをAIの学習に利用することはありません。
フィンテックスのAIへの向き合い方は、次の記事で詳しく紹介しています。
関連記事:フィンテックスのAI活用に対する考え方
A:問い合わせログがあれば質問候補は作れますが、回答の根拠となる文書がないため、正確性の担保が難しくなります。簡易的なもので構わないので、マニュアル(手順と判断基準の文書)とFAQを並行して整備するのが安全です。
A:会社として利用を認めたAI環境で、入力データが学習に利用されない設定であることを確かめてください。個人情報・機密情報のマスキングと、保存期間やアクセス権限の確認も欠かせません。判断に迷う場合は、情報システム部門や法務部門に相談しましょう。
A:最初は頻出の20〜30問程度から始めるのがおすすめです。数を増やすより、よく聞かれる質問に確実に答えられる状態を先に作るほうが、削減効果を実感しやすくなります。
A:月1回程度の問い合わせ回収と、マニュアル改訂のタイミングでの見直しを基本にしましょう。放置されたFAQは誤答の原因になり、かえって問い合わせを増やしかねません。プロンプト2と7を定例業務に組み込むと、無理なく続けられます。
A:質問と回答が対になったFAQは検証や保守がしやすく、チャットボットの整備に有効な情報源のひとつと言えるでしょう。しかし、チャットボットの情報源として必ずしもFAQが必要なわけではありません。近年のチャットボットや社内AI検索は、FAQだけでなくマニュアルやナレッジベースからも回答を組み立てられます。
マニュアルのFAQ化は、既にある情報を現場が引ける形に変換し、問い合わせを減らしていく施策です。回答の根拠は、最新版のマニュアル、社内規程、公式仕様など、組織が正本として承認した情報源に置き、質問候補は問い合わせログや検索語も含めて集めます。生成AIは、質問候補の整理から回答案の作成、改訂時の差分検出まで、たたき台づくりの効率化に役立ちます。一方で、根拠の確認と公開の判断は人の役割です。
まずは問い合わせの多い業務を1つ選び、プロンプト1でFAQ候補を20個抽出することから始めてみましょう。マニュアル本体の作り方から見直したい場合は、次の記事も参考になります。
関連記事:AIでマニュアルを作成する方法|6ステップとプロンプト例【2026年版】
フィンテックスでは、業務マニュアルの作成代行から、FAQ・問い合わせ削減コンテンツへの展開までを一貫して支援しています。マニュアルはあるのに問い合わせが減らないとお悩みの方は、お気軽にご相談ください。
監修者

企画営業部 営業本部長 / 経営学修士(MBA)
<略歴>
フィンテックスにて、マニュアル作成に関する様々な顧客課題解決に従事。
金融系からエンターテインメント系まで様々な経験から幅広い業務知識を得て、「分かりやすいマニュアル」のあるべき姿を提示。500社以上のマニュアル作成に携わる。また、複数の大企業でマニュアル作成プロジェクトの外部マネージャーを兼務している。
趣味は茶道。
月刊エコノミスト・ビジネスクロニクルで取材していただきました。ぜひご覧ください。
https://business-chronicle.com/person/fintecs.php
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