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AIにマニュアルの作成を依頼したものの、目次がしっくりこない。そんな経験はありませんか? 目次は見出しの一覧ではなく、業務の目的・範囲・手順・例外を配置する設計図です。本記事では、フィンテックスの制作現場で使う標準構成10項目をもとに、材料に合わせて使い分けるプロンプト7選と活用のコツを紹介します。
なお、材料の準備から品質チェックまでの全体手順は、以下の記事で解説しています。本記事は目次設計の工程に絞った実践編です。
関連記事:AIでマニュアルを作成する方法|6ステップとプロンプト例【2026年版】
目次
目次(構成)設計から始めるべき理由
プロが使う業務マニュアルの標準構成10項目
7つのプロンプトの使い分け(推奨ルート)
コピペで使える目次設計プロンプト7選
プロンプトを使いこなす3つのコツと注意点
よくある質問(FAQ)
フィンテックスの目次設計支援
まとめ:目次設計から始めるAIマニュアル作成
生成AIでマニュアルを作る際、最初に力を入れるべき工程は目次(構成案)の設計です。プロンプトの紹介に入る前に、まず目次を先に固めるべき理由から確認しましょう。
目次はマニュアルの設計図です。設計図に抜け漏れがあると、本文をどれだけ丁寧に書き込んでも、あとから取り返すのは難しくなります。
たとえば、例外対応の章がない目次のまま本文を書き進めると、完成間近になって置き場のない情報が次々に見つかります。章の追加は目次全体の組み替えにつながるため、修正の負担は本文の手直しだけでは済みません。だからこそ、AI活用でも最初に目次を固めることが重要です。
AI活用では、目次を先に作る理由がさらに2つ加わります。1つめは、確定した目次がプロンプトの条件として機能することです。目次を渡したうえで章ごとに本文の下書きをAIに依頼すると、書くべき範囲が定まり、出力が安定します。
逆に目次が曖昧なまま本文を作り始めると、章ごとに粒度(説明の細かさ)がばらばらの文書になりがちです。ある章だけ極端に詳しく、別の章は数行だけ、という仕上がりはこのパターンで起こります。
2つめは、レビューのしやすさです。本文まで書き上げたあとで構成の誤りに気づくと、手戻りが大きくなります。一方、分量の少ない目次の段階であれば、方向性の確認も修正も小さな負担で済みます。
先に目次を固め、合意してから本文に進む。この流れは、AIとの分業でも効率のよい進め方と言えるでしょう。
構成がマニュアルの出来を左右する理由は、次の記事でも詳しく解説しています。
関連記事:マニュアルの出来は構成で決まる? 押さえておきたいポイントを解説
ここで紹介する10項目は、フィンテックスが制作現場で使っている「業務マニュアルの目次標準型」です。当社では業種を問わず多くの業務マニュアルを作成しており、様々なパターンの目次を設計してきました。この標準型はその中でも最も汎用的な型となります。この型は、生成AIで目次を作成するためのプロンプトの条件に使えます。並び順にも意味があり、読み手が上から順に読めば、前提を理解してから手順に入れる構成になっています。
| # | 項目 | 役割 |
|---|---|---|
| 1 | 業務概要 | 業務の目的・全体像・関係者を示す |
| 2 | 記載について | マニュアルの読み方・表記の約束ごとを示す |
| 3 | 略語・用語 | 略語と社内用語を定義し、読み手の前提をそろえる |
| 4 | 前提条件 | 実施に必要な権限・環境・事前準備を示す |
| 5 | 業務上のリスク | 誤りが起きやすい箇所と影響を先に知らせる |
| 6 | 業務手順 | 手順本体。時系列で章・節を立てる |
| 7 | 関連項目 | 関連業務・関連マニュアルへの参照を示す |
| 8 | 書式集 | 使用する帳票・書式・テンプレートをまとめる |
| 9 | 補足事項 | 例外対応・FAQ・問い合わせ先を載せる |
| 10 | 改定履歴 | いつ・誰が・何を変えたかを記録する |
目次を含むマニュアル作成の全体的な流れは、次の記事をご覧ください。
関連記事:業務マニュアルはどのように作成する? 流れやコツを詳しく解説
10項目を1つずつ暗記する必要はありません。役割ごとに4つのグループで捉えると、全体像がつかみやすくなります。
グループで捉えておくと、項目を削る判断もしやすくなります。たとえば、導入グループの項目を1つに統合する、補助グループを付録にまとめる、といった調整を考えやすくなるためです。
10項目はあくまで標準型であり、どのマニュアルにも全項目が必要なわけではありません。次の条件に当てはまる小さな文書では、「業務概要・前提条件・業務手順・補足事項」の4項目程度に絞る判断が有効です。
大切なのは、絞り込みを意図的に行うことです。迷う場合は、いったん10項目でたたき台を作り、後述するプロンプト1の削除提案を参考に削っていく進め方が安全と言えます。マニュアルと手順書の違いや使い分けは、次の記事で整理しています。
関連記事:マニュアルと手順書に違いはある?役割の作り方のコツを解説
本記事のプロンプト7選は、「たたき台を作る→情報を引き出す→整える→点検する」という目次づくりの流れに対応しています。ただし、プロンプト1から7までを順番に使う必要はありません。手元の材料の状態に合わせて、入口になるプロンプトを選んでください。
| 手元の状態 | 使うプロンプト | 目的 |
|---|---|---|
| 材料が整理済み | プロンプト1または3 | 標準型または既存資料から目次案を作る |
| 材料が頭の中だけ | プロンプト2 | 質問に答える形で情報を引き出す |
| 目次案を整えたい | プロンプト4・5 | 階層・粒度・読み手レベルを調整する |
| 公開前に点検したい | プロンプト6・7 | リスク・例外・標準型との対応を確認する |
材料が整理できている場合は、プロンプト1(標準型から作る)または3(既存資料から逆算する)が入口です。材料が頭の中にしかない場合は、プロンプト2で質問に答えることから始めます。どちらの入口から入っても、できあがった目次案をプロンプト4・5で整え、6・7で点検してから確定する流れは共通です。時間がないときは、少なくとも入口のプロンプトと点検のプロンプト6だけでも通しておくと、大きな抜けを防ぎやすくなります。
また、準備の手間がプロンプトごとに異なる点にも注意しましょう。プロンプト1・2は、山かっこ〈 〉の部分(業務名・読み手・範囲など)を書き換えるだけで試せます。一方、プロンプト3〜7には、既存資料や目次案の貼り付けが必要です。次章では各プロンプトに「必要な入力・使う場面・出力」を添えているので、準備するものを確認してからお使いください。
なお、プロンプト4〜7は1回で終える必要はありません。目次案を修正するたびに点検をかけ直すなど、短いサイクルで繰り返すと精度を上げやすくなります。1回の出力を完成品と考えず、対話しながら仕上げていく使い方がおすすめです。
ここからは、プロンプト本体を紹介します。山かっこ〈 〉の部分をご自身の業務に書き換えてお使いください。例はいずれも架空の業務です。
まずは基本形です。標準構成10項目を条件として渡すことで、出力がプロの型に沿います。
あなたは業務マニュアル作成の専門家です。
以下の業務について、業務マニュアルの目次案を作ってください。
# 業務の情報
・業務名:〈経費精算業務〉
・読み手:〈入社1ヶ月の新入社員〉
・範囲:〈領収書の受領から精算システムへの入力完了まで〉
# 条件
・次の10項目を骨格にする:業務概要/記載について/略語・用語/前提条件/
業務上のリスク/業務手順/関連項目/書式集/補足事項/改定履歴
・「業務手順」は時系列の節に分ける(節タイトルまで書く)
・この業務に不要と思う項目は、理由を添えて削除を提案する
・情報が足りない箇所は、目次案の前に質問として列挙する
ポイントは、不要項目の削除を理由付きで提案するよう条件に入れている点です。10項目を機械的に埋めただけの、中身のない目次になるのを防げます。さらに、不足情報を目次案より先に質問として挙げる条件により、思い込みで埋められた目次をうのみにするリスクも減らせます。
材料が頭の中にしかない場合は、書くのではなく答えることから始めましょう。
あなたは業務マニュアル作成のためのヒアリング担当者です。
〈経費精算業務〉のマニュアル目次を作るために必要な情報を、私への質問として挙げてください。
# 条件
・「業務の範囲」「登場する人・システム」「頻度とタイミング」「判断が必要な場面」
「よくあるミス・例外」の5観点で、合計15問以内
・1問1答で答えられる具体的な質問にする
・私の回答を受け取ったら、回答をもとに目次案を作成する
質問に答えるだけで、目次の材料が自然に集まります。ベテランの頭の中にある暗黙知(言語化されていないノウハウ)を引き出す入口としても有効です。
古いマニュアルや規程、議事録が手元にあるなら、ゼロから作るより逆算するのが早道でしょう。
以下の資料を分析し、〈経費精算業務〉の業務マニュアル目次案を作ってください。
# 資料
(既存資料のテキストを貼り付け)
# 条件
・目次の各項目に「根拠となる資料の該当箇所」を添える
・資料に記載がなく、追加ヒアリングが必要な項目には【要ヒアリング】と付ける
・資料の記述が古い可能性のある項目には【要鮮度確認】と付ける
資料のどこを根拠にしたかを添える条件がポイントです。AIの創作(ハルシネーション。事実に基づかない、もっともらしい出力)を見分けやすくなります。
たたき台の目次は、章によって粒度がばらつきがちです。たとえば、ある章には節が10個並ぶ一方で、別の章は1行だけといった状態です。目次の細かさは本文の分量に直結するため、この段階で階層ごと整えておきます。
次の目次案の階層と粒度を整理してください。
# 目次案
(目次案を貼り付け)
# 条件
・「章→節→項」の3階層に整理する(項は必要な場合のみ)
・1つの章に節は3〜7個を目安とし、超える場合は章の分割を提案する
・各節のタイトルは「〜の確認」「〜の入力」のように動作がわかる名詞形にそろえる
・変更した箇所と理由を、最後に一覧で示す
変更箇所と理由の一覧を条件に加えている点が重要です。変更理由が併記されていると、人がレビューする際に、確認すべき範囲を絞りやすくなります。
同じ業務でも、新人向けと経験者向けでは必要な目次が異なります。全員向けの1冊にまとめようとすると、誰にとっても読みにくいマニュアルになりがちです。
次の目次案を、読み手に合わせて2パターンに調整してください。
# 目次案
(目次案を貼り付け)
# 読み手
・パターンA:〈この業務が初めての新入社員〉
・パターンB:〈他部署から異動してきた業務経験者〉
# 条件
・Aには「用語解説」「操作の前提」など、つまずき防止の項目を手厚くする
・Bには重複説明を減らし、「自部署との違い」「例外対応」を前に出す
・2パターンの差分がひと目でわかる比較表を最後に付ける
読み手のリテラシーに合わせた構成は、使われるマニュアルに欠かせない条件です。読み手目線の考え方は、次の記事も参考になります。
関連記事:「ユーザー目線」で変わる!わかりやすいマニュアル作成のコツ
目次が固まってきたら、AIに品質チェック担当者の役割を与え、書き手とは別の視点で点検します。
あなたは業務マニュアルの品質チェック担当者です。
次の目次案を、以下の3つの観点で監査してください。
# 目次案
(目次案を貼り付け)
# 監査の観点
・リスク:誤操作・情報漏えい・法令違反など、注意喚起すべき箇所が目次に反映されているか
・例外:通常と異なるケース(急ぎ・差し戻し・システム障害など)の置き場所があるか
・前提:権限・環境・事前準備の説明が、手順より前に配置されているか
# 出力
・観点ごとに「問題なし/要修正」を判定し、要修正には修正案を添える
作った本人は、AIに依頼した場合でも抜けに気づきにくいものです。役割を変えて点検を依頼するだけで、見落としに気づきやすくなります。特にリスクと例外は、業務に慣れた人ほど「言わなくても分かる」と省略しやすい要素のため、重点的に確認しましょう。
仕上げとして、前述の「プロが使う業務マニュアルの標準構成10項目」で紹介した10項目と、目次案を突き合わせます。
次の目次案を、業務マニュアルの標準構成10項目と突き合わせてチェックしてください。
# 目次案
(目次案を貼り付け)
# 標準構成10項目
業務概要/記載について/略語・用語/前提条件/業務上のリスク/
業務手順/関連項目/書式集/補足事項/改定履歴
# 出力
・10項目それぞれについて「目次案での対応箇所/なし」を表にする
・「なし」の項目は、この業務にとって必要か不要かの判断案を理由付きで示す
このチェック表を残しておくと、あとから見直す際に、意図して削った項目と単に忘れていた項目を区別できます。改定のたびに参照できる、目次の点検記録としても役立つでしょう。
なお、プロンプト7選を1つの資料にまとめた「業務マニュアル用プロンプト集①(目次設計編)」もご用意しています。記入例付きのため、社内で共有する際にご活用ください。
プロンプトの効果を引き出すには、目次段階での現場確認、業務そのものの整理、機密情報の扱いという3つの視点が欠かせません。この3つを、順にコツと注意点として説明します。
AIの目次案は整って見えますが、現場の実態に合っているかは別問題です。本文を書き始める前に、業務担当者に目次だけを見せて、この流れで実務と合っているかを確認しましょう。
目次は1〜2枚に収まる分量のため、確認を頼まれる側の負担も小さくて済みます。本文まで書き上げてから見せるより、率直な指摘が集まりやすい段階と言えるでしょう。このひと手間が、あとからの大きな書き直しを防ぐ保険になります。
プロンプト2の質問に答えられない箇所や、プロンプト6で例外の置き場がないと指摘された箇所は、業務そのものが整理されていないサインです。この場合はプロンプトの改良ではなく、業務の整理に立ち返るのが近道です。考え方は次の記事で解説しています。
関連記事:業務の構造化とは何か?マニュアル整備から始めるAI活用の道筋
目次設計の段階でも、業務名や既存資料には機密情報が含まれることがあります。生成AIに入力する前に、利用するサービスごとに、少なくとも次の観点を確認しておきましょう。
そのうえで、個人情報のマスキングや、入力してよい情報の社内ルール化を先に済ませておくと安心です。AIに任せられる範囲と限界の全体像は、次の記事で整理しています。
関連記事:AIでマニュアル作成はどこまでできる?2026年現在の実力と限界を解説
A:使えます。本記事のプロンプトは、特定のツールに依存しない書き方にしています。ツールによって出力の癖は異なるため、同じプロンプトでも結果を見比べて、自社に合うものを選ぶとよいでしょう。その際は、社内で利用が許可されているツールを使ってください。
A:本文を書く人(またはAI)が、この節に何を書くかを迷わない粒度が目安です。実務では、章・節の2階層に加えて、節タイトルに動作を含める形(例:「精算データの入力」)まで作れば、本文の下書きに進めます。
A:使えます。ただし、1つの作業だけを扱う手順書であれば、10項目には広げず「業務概要・前提条件・業務手順・補足事項」程度に絞るのがおすすめです。プロンプト1の削除提案の条件が、この絞り込みに役立ちます。
A:たたき台としては使えますが、無修正のまま確定するのは避けましょう。業務の実態と合っているか、例外やリスクの置き場があるかは、業務を知る人にしか判断できません。プロンプト6・7の点検を経て、最後は人が確定してください。
A:問題ありません。目次で骨格を固めておけば、本文は複数の担当者で分担して書けます。AIと人の分担は自社の体制に合わせて選べますが、どちらの場合も、目次の合意を先に済ませておくことが品質を保つ近道です。
フィンテックスは、1987年の創業から500社以上のマニュアル作成を支援してきた専門会社です。本記事で紹介した標準構成10項目も、当社が実際の制作で使っている型の一部を公開したものになります。
マニュアル作成代行では、目次(構成案)の設計とお客様との合意を、独立した工程として設けているのが特徴です。第三者の視点でヒアリングを行うと、社内の方には当たり前すぎて言葉にされない前提や例外も拾い上げられます。こうした情報を目次に反映できることが、プロに任せる価値の1つです。目次のたたき台はAIで作れても、実務との照合や暗黙の前提の掘り起こしには、経験に基づくヒアリングの技術が求められます。AI活用型のマニュアル作成代行でも伴走型のマニュアル作成代行でも、目次の合意を起点に品質を作り込む進め方は変わりません。
業務マニュアルの目次は、標準構成10項目を条件として渡すことで、AIでも実用的なたたき台を作れます。プロンプト7選を「たたき台を作る→情報を引き出す→整える→点検する」の流れで使い分け、最後は業務を知る人が確定する。この進め方であれば、目次設計は出力が短く、人が確認しやすいため、AI活用を小さく試しやすい工程です。まずはプロンプト1を、身近な業務で試すことから始めてみましょう。小さく試して手応えを確かめてから、対象の業務を広げていくと定着しやすくなります。
目次が固まったら、次の工程は手順本文の下書きです。手順を読めば動ける文に整える方法は、次の記事で解説しています。
関連記事:手順書を「読めば動ける文」に整えるAIプロンプト7選
フィンテックスでは、目次設計の段階からのご相談も承っています。マニュアル作成にお悩みの方は、お気軽にご相談ください。
監修者

企画営業部 営業本部長 / 経営学修士(MBA)
<略歴>
フィンテックスにて、マニュアル作成に関する様々な顧客課題解決に従事。
金融系からエンターテインメント系まで様々な経験から幅広い業務知識を得て、「分かりやすいマニュアル」のあるべき姿を提示。500社以上のマニュアル作成に携わる。また、複数の大企業でマニュアル作成プロジェクトの外部マネージャーを兼務している。
趣味は茶道。
月刊エコノミスト・ビジネスクロニクルで取材していただきました。ぜひご覧ください。
https://business-chronicle.com/person/fintecs.php
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