マニュアル作成ツールとは？メリットや選び方を解説

マニュアル作成をもっと簡単に、もっと効率的にできたら……。そんな想いから登場したのが「マニュアル作成ツール」です。近年、業務マニュアルや操作マニュアルの作成・整備に取り組む企業が増えるなかで、マニュアル作成ツールの需要も高まってきています。

誰でも簡単に質の高いマニュアルを作成できる一方で、マニュアル作成ツールの種類は多種多様なので、どういう基準で選べばいいのか迷っている方も多いのではないでしょうか。

この記事では、マニュアル作成ツールの基本から、できること、メリット、選び方まで詳しくご紹介します。これから社内マニュアルの整備を検討している方や、効率的な作成方法を探している方に向けて、わかりやすく解説していきますので、ぜひご参照ください。

目次
マニュアル作成ツールとは
マニュアル作成ツールでできること
マニュアル作成ツールの利用状況
マニュアル作成ツールを利用するメリット
マニュアル作成ツールの選び方
マニュアル作成ツールを比較する際に注目したい機能
まとめ

マニュアル作成ツールとは

マニュアル作成ツールとは、業務手順や操作方法をまとめたマニュアルを、誰もがわかりやすい形で作成できるツールのことです。特別なデザインスキルや作成ツールの専門知識がなくても、直感的な操作でマニュアルを作成できるのが特徴です。

これまではWordやPowerPointなどの汎用ソフトで作成するのが一般的でした。しかし、汎用ソフトでのマニュアル作成は、フォーマットの調整やデザインの選択、マニュアルの更新管理など、特化したスキルや時間も必要とされるため、担当者の負担が大きい作業でもありました。

その点、マニュアル作成ツールはマニュアル作成に特化しているため、作成や編集をよりスムーズに行えます。共有や管理も簡単にできるため、個人の負担が減り、業務効率化にもつながります。

さらに最近では、Web上で閲覧できる形式のマニュアルのニーズも高まっています。マニュアル作成ツールを活用することで、さまざまなニーズへ柔軟に対応できるのが大きな魅力です。

マニュアル作成ツールでできること

マニュアル作成ツールは、単に文章をまとめるだけではありません。さまざまな機能を活用することで、マニュアルの作成から運用、改善まで幅広くサポートしてくれます。ここでは、代表的な機能をご紹介します。

• マニュアル作成・編集
  テンプレートやパーツを選び、誰でも簡単にマニュアルを作成・編集できます。文章や画像、動画をテンプレートに沿って配置することで、視覚的にわかりやすいマニュアルを作成することができます。
• マニュアルの一元管理
  常に最新情報を反映できるので、古いマニュアルと混在してトラブルになることを防ぐことができます。作成したマニュアルはツール上でまとめて管理できるので、必要なときにアクセスしやすく、マニュアルの社内活用促進につながります。
• マニュアルの共有
  リンク発行やPDF出力により、作成したマニュアルを簡単に社内共有できることも特徴です。閲覧権限設定など、セキュリティ対策も施せます。また、更新通知を利用することで、最新マニュアルの周知も容易になります。
• 更新・改善のサポート
  更新履歴や版管理の機能を持ったツールを使用すれば、改訂した内容と担当者の確認ができます。また、トラブルの際には過去のバージョンに戻すことも可能です。また、コメント機能を備えたツールを使用することで、実際に使用した現場からのフィードバック収集が容易になるので、マニュアルの改善にも役立ちます。
• マルチデバイス対応
  パソコンだけでなく、タブレットやスマートフォンからも閲覧・編集できるツールが増えています。ユーザーも現場で手軽に参照できるので、作業の疑問点の解消がしやすく、業務を効率的にできるのも魅力です。

マニュアル作成ツールを使用することで、マニュアルの作成だけでなく、その運用・改善までをサポートし、さらには業務効率化に役立てることもできるのです。

マニュアル作成ツールの利用状況

近年、マニュアル作成ツールの利用は、企業規模や業種を問わずに広がっています。特に、DX推進や業務標準化に取り組む企業の増加が背景にあります。

以前はWordやPowerPointといった汎用ソフトでマニュアルを作成するケースが多く見られました。しかし、業務の多様化やスピード化に対応するため、より効率的で柔軟なマニュアル作成ツールへのニーズが高まっています。

たとえば、以下のような場面で活用されています。

• 新人教育用の業務マニュアル
• システム操作手順のドキュメント化
• 業務手順書の整備
• コールセンター向けマニュアル
• 社内ナレッジ共有ガイド

また、単なる閲覧資料としてではなく、研修での習熟度を測るテストを備えた研修用テキストや、ユーザーの閲覧状況を把握できるオンラインマニュアルなど、教育や現場運用にマニュアルを活用する流れも強まっています。これに伴い、マニュアル作成ツールの導入を検討する企業もさらに増加していくでしょう。

マニュアル作成ツールを利用するメリット

マニュアル作成ツールを活用することで、作業効率だけでなく、マニュアルの質や運用面にも大きなメリットが生まれます。ここでは、具体的なメリットを詳しくご紹介します。

メリット① マニュアル作成が効率化できる

マニュアル作成ツールは、テンプレートやパーツ素材が豊富に用意されており、ゼロから作成する手間を大幅に省けます。ドラッグ＆ドロップで直感的に編集できる機能を持ったツールもあり、誰でもスムーズに作業が進められます。また、画像や動画も簡単に取り込めるため、文章では説明が難しいようなマニュアルの作成も容易です。

メリット② 質の高いマニュアルが作成できる

テンプレートやデザイン機能を活用すれば、レイアウトが自動的に統一されるので、視覚的にわかりやすいマニュアルが作れます。また、図や表、イラストを取り入れた「ポイントがわかりやすいマニュアル」の作成も可能です。

さらに、誤字脱字を防ぐための校正支援機能や、動画に自動で字幕をつける字幕生成機能など、さまざまな機能を活用すれば、誰でも高品質なマニュアルを作ることができます。

メリット③ マニュアルを簡単に共有・使用できる

作成したマニュアルは、URLリンクや専用ビューアーを使ってすぐに共有できます。マルチデバイス対応のマニュアルであれば、場所を選ばず閲覧できるので、マニュアルの社内活用促進になります。たとえば社内イントラネット掲載や、QRコードを使った現場掲示など、自社に合った方法でマニュアルを共有できます。

メリット④ 情報の集約や更新を行いやすくなる

マニュアル作成ツールでは、複数のマニュアルを一元管理できるため、情報の分散を防げます。必要な情報にすぐアクセスできる環境が整えば、利便性が高まり、マニュアルが活用されやすくなります。

また、更新作業も簡単なため、変更内容をすぐに反映でき、常に最新状態を保った運用が可能になります。

マニュアル作成ツールの選び方

マニュアル作成ツールにはさまざまな種類があります。ツールごとに特徴や得意とするマニュアルが異なるので、選び方を間違えるとかえってマニュアル作成に支障が出てしまうこともあります。自社に合ったツールを選ぶためのポイントを押さえて、より良いマニュアル作成を目指しましょう。

使用用途を確認する

まずは、どのようなマニュアルを作成したいか使用用途を明確にしましょう。

• 機材の操作手順を動画マニュアルでわかりやすく伝えたい
• 現場用マニュアルをスマホなどで手軽に閲覧してもらいたい
• 新人教育用に社内研修マニュアルを作りたい

目的によって、適した作成ツールは異なります。作成したいマニュアルに合った機能を備えたものを選びましょう。

操作性をチェックする

操作が複雑すぎると、ユーザーの作業効率が落ちてしまい、マニュアルの使用頻度も低下します。試用版やデモ版を使って、直感的な操作ができるかを確認してから導入しましょう。

特に、ツールでのマニュアル作成に不慣れなユーザーが使う場合は、メニュー表示や編集の操作がシンプルでわかりやすいツールを選ぶのがおすすめです。

編集履歴の確認機能の有無を確認する

マニュアルは作成した後も、常に更新を行わなくてはなりません。「履歴確認機能」があると、修正点やその理由が把握できるため、修正ミスの防止に役立ちます。また、編集や改訂を行ったときに編集メンバーに通知が行くようにしておくと、情報共有の手間が省けます。

テンプレートのバリエーションが多いものを選ぶ

マニュアルの視認性をアップするには、デザインも重要です。文章メインのマニュアルと画像が多いマニュアルでは、見やすいレイアウトは異なります。テンプレートのバリエーションが多いツールなら、マニュアルに合わせたレイアウトを考える手間が省けるため、作業時間の短縮につながります。

サポート体制の充実度を確認する

作成ツール導入後にトラブルが起きた場合に備えて、サポート体制が整っているかも重要です。

• 作成ツールの操作マニュアルや、ヘルプページが充実しているか
• 解決が難しい場合、チャットサポートや電話対応があるか
• 導入支援や研修サービスが受けられるか

事前にサポート体制を確認し、安心して利用できるツールを選びましょう。

マニュアル作成ツールを比較する際に注目したい機能

マニュアル作成ツールを選ぶときは、マニュアルの作成だけでなく、その運用や活用も見据えて機能を比較することが大切です。ここでは、チェックしておきたい主な機能を紹介します。

マニュアル作成の手間を省く機能

作業効率を上げる機能が搭載されているかをチェックしましょう。

• ドラッグ＆ドロップで直感的に編集できる
• システム操作手順のテキストと画面キャプチャを自動的に取得できる
• 動画の音声から字幕を自動生成できる
• 自動翻訳機能で多言語化に対応

こういった機能が搭載されているツールであれば、作業時間を大幅に短縮できます。特に大量のマニュアルを作成する場合は、わずかな作業の効率化が大きな作業時間の短縮につながるため、ツールの効果をより実感できます。

マニュアル活用を促す機能

マニュアルをより活用してもらうためには、ユーザーが必要な情報を探して閲覧しやすくするための機能が求められます。

• キーワード検索機能
• モバイル端末での最適表示
• ユーザーがフィードバックしやすいコメント機能
• 閲覧履歴やアクセス分析機能

これらの機能があれば、ユーザーは必要な情報にすぐ辿り着けるほか、マニュアルの改善にも役立ちます。

教育管理機能

マニュアルを教育や研修に活用する場合は、ユーザーの進捗や理解度を管理できる機能があると便利です。

• 学習進捗管理
• 理解度テスト・クイズ機能
• 研修レポート出力機能

こうした機能があれば、教育ツールとしてもマニュアルを活用でき、人材育成につなげることができます。

まとめ

マニュアル作成ツールは、マニュアル整備業務の効率化において、効果の高い手段であることがおわかりいただけたと思います。ツールを活用すれば、作成の手間を大幅に減らしながら、質の高いコンテンツをスピーディに作成できます。選ぶ際は、使用用途や操作性、サポート体制をしっかり確認し、自社に最適なツールを導入することが重要です。比較時には、機能だけでなくその後の運用や、教育での活用まで見据えた機能に注目しましょう。

一方で、マニュアルツールを使用しても、納得のいく仕上がりにできなかったり、通常業務と並行して作成することが負担になったりする場合もあります。また、ツール導入後の成果を検証する際に、疑問や不満が生じることもあるかもしれません。

フィンテックスでは、業務マニュアル・操作マニュアルの作成代行サービスを行っています。また、作成ツールの選定や運用方法など、マニュアルに関するさまざまな課題解決のお手伝いをする「マニュアルコンサルティング」にも対応しております。ツール導入後のリソース不足やマニュアルの品質に関する不安など、ぜひフィンテックスへご相談ください。

つい読んでしまうマニュアル作成のリーディングカンパニー、株式会社フィンテックス

監修者

中丸 貴仁

企画営業部 営業本部長 / 経営学修士（MBA）

＜略歴＞

フィンテックスにて、マニュアル作成に関する様々な顧客課題解決に従事。 金融系からエンターテインメント系まで様々な経験から幅広い業務知識を得て、「分かりやすいマニュアル」のあるべき姿を提示。500社以上のマニュアル作成に携わる。また、複数の大企業でマニュアル作成プロジェクトの外部マネージャーを兼務している。 趣味は茶道。
月刊エコノミスト・ビジネスクロニクルで取材していただきました。ぜひご覧ください。
https://business-chronicle.com/person/fintecs.php