マニュアルアカデミー
マニュアル作成を効率化するツールは、近年、さまざまな企業で導入が進んでいます。テンプレートや自動生成機能を使えば、手間をかけずにわかりやすいマニュアルを作成できますが、選び方を誤ると、かえって手間やコストが増えてしまうこともあります。
この記事では、マニュアル作成ツールの導入を検討している企業の担当者の方や、マニュアル整備を任された方に向けてお届けします。ツールの基本機能やメリット・デメリットを整理し、デメリットをカバーする選び方をわかりやすくご紹介します。
これからマニュアル作成をスムーズに進めたい方や、ツール選びで失敗したくない方は、ぜひ最後までご覧ください。
目次
マニュアル作成ツールとは
マニュアル作成ツールの7つの機能
マニュアル作成ツールのメリット
マニュアル作成ツールのデメリット
デメリットをカバーできるマニュアル作成ツールの選び方
まとめ
マニュアル作成ツールとは、業務マニュアルや操作マニュアルを効率的に作成・編集・共有するためのソフトウェアやサービスです。従来は一般的な文書作成ソフトで手作業によって作られていましたが、ツールを使うことで作業の効率化や品質の均一化が容易に図れるようになりました。
現在では、文章、画像、動画、図解などを直感的に組み合わせて編集できるツールも多く登場しています。さらに、クラウド型サービスを利用すれば、社内外でリアルタイム共有が可能になり、チーム全体の業務効率向上にもつながるメリットがあります。
ただし、マニュアル作成ツールが万能というわけではありません。目的や運用体制に応じて向き不向きがあるため、選定時には注意が必要です。本記事では、マニュアル作成ツールの基本機能、メリット・デメリット、選び方まで幅広く解説していきます。
マニュアル作成ツールには、作業効率やマニュアル品質を向上させるさまざまな機能が備わっています。ここでは代表的な7つの機能をわかりやすくご紹介します。ツール選びの参考にしてみてください。
テンプレート・レイアウト機能は、ツール側で用意されているテンプレートやレイアウトを使用することで、簡単にマニュアルを作成することができる機能です。一から構成やデザインを決める必要がないため、労力の削減にもつながります。
フォントやカラー、見出し構成などが整っており、デザインに不慣れなユーザーでも、自社の用途に合ったテンプレートを選択するだけで統一感のあるマニュアルが作成できます。画像や文章の差し替えが容易なため、視認性の高い資料をスムーズに仕上げることが可能です。
マニュアル内の情報をキーワードで素早く探し出せる機能です。情報量が多くなっても必要な内容にすぐアクセスでき、ページ数の多いマニュアルを閲覧するときに威力を発揮します。閲覧者の負担軽減にもつながる重要な機能です。
動画マニュアル作成時に便利な機能です。自動で字幕や音声合成読み上げを付与することができる機能や、他言語に翻訳して外国籍スタッフへ展開する機能などがあります。また、テキストを手入力する必要がないので、マニュアル作成の時間短縮が期待できます。システムが字幕を作成してくれるので、内容が統一されてリテラシーの違いを超えた情報共有が可能になります。
操作手順をマニュアル化する際、画面キャプチャーと説明文を自動で取得してくれる機能です。クリックや入力操作を記録しながら進められるため、記載漏れを防ぎ、効率的なマニュアル作成につながるのが魅力です。
作成したマニュアルにアクセスするためのQRコードを簡単に生成できる機能です。社内のポータルサイトや共有資料にQRコードを載せれば、スマートフォンやタブレットで手軽にアクセスできるのでマニュアルの社内共有がしやすくなります。また、わからないことがあれば、その場で確認できるので現場作業の支援に効果的です。
ナビゲーション機能は、目次やページリンク、画面誘導などにより、ユーザーがマニュアルを使いやすく探しやすくするための機能です。閲覧者が迷わず目的の情報にたどり着ける設計を施せるため、ページ数の多いマニュアルでも快適に利用でき、ストレスを軽減します。
マニュアルの内容理解を確認できるテスト機能を搭載しているツールもあります。クイズ形式で知識定着を促し、教育研修の質向上に役立ちます。特に新人教育とともに活用する場面で効果を発揮します。
マニュアル作成ツールには、単なる作業効率化にとどまらないさまざまなメリットがあります。ここでは、特に注目したい4つの利点をご紹介します。ツールを上手に活用することで、業務全体の質やスピード向上にもつながるでしょう。
テンプレートや自動生成機能により、一からマニュアルを作る負担を大きく軽減できます。一部のツールでは、画面キャプチャーや説明文の自動取得もサポートされており、特別なスキルがないユーザーでも短時間でわかりやすいマニュアルを作成できます。
また、マニュアル作成ツールを使用することでマニュアルの作業手順を標準化することにつながります。作成手順が標準化されることで、複数の担当者で作成を手分けしやすくなるため、担当者一人あたりの負担を減らし、本来の業務に集中することができます。
クラウド上でマニュアルを共有できるため、紙に印刷する必要がなくなります。今まで印刷することで生じていた印刷費用や保管スペースの確保、更新作業の手間も削減でき、運用コスト全体の圧縮にもつながります。デジタル媒体を活用することでメールが簡単に配布できる点は、ペーパーレス化を目指す企業には特に大きなメリットです。
作成したマニュアルはURLやQRコードで手軽に共有できるため、拠点が離れていても最新情報をすぐに届けられます。そのため、内容の大幅修正や更新も即時反映でき、チーム内のナレッジ共有がスムーズになります。また、情報共有が容易なことでスピーディな業務改善につながります。
マニュアル作成ツールの多くには、標準的なテンプレートが用意されています。テンプレートに沿ってマニュアルを作成することで、見た目や説明方法が統一され、誰が作っても一定水準以上の品質が保たれます。また、構成を一から考える必要がないので、複数の担当者でマニュアルの熟練度に差があっても、均質なマニュアルを作成することが可能です。
便利なマニュアル作成ツールですが、導入前に知っておきたい注意点もあります。ツールの特性を理解せずに導入すると、かえって業務効率が下がるリスクもあるため、デメリットもしっかり押さえておくことが大切です。ここでは代表的な2つの課題をご紹介します。
多機能なマニュアル作成ツールは有料のものが多く、初期費用や月額料金が発生します。無料プランもありますが、機能が制限されていたり、商用利用に制限があったりする場合も少なくありません。
マニュアル作成ツールを導入して運用を始めると、そのマニュアルを使う期間はランニングコストがかかります。中長期的な計画を立てながら慎重に導入する必要があります。
企業によってマニュアルに求める機能が異なるため、ツールを導入すればすべて解決というわけにはいきません。ツールの種類や機能によっては、自社の導入目的・目標に合わない可能性もあります。
たとえば、操作手順マニュアルを大量に作りたいときに、動画特化型ツールを選ぶと必要な説明ができなくなるので成果が出にくくなります。また、操作が難しいツールを選択するとリテラシーの低いメンバーには負担となり、社内定着が進まないこともあります。導入前に無料トライアルを利用し、目的とツールの相性をしっかり確認しましょう。
マニュアル作成ツールにはメリットがある一方、目的に合わなかったり、コスト負担が過大になったりすることもあります。しかし、選び方を工夫すればこうしたデメリットは十分にカバーできます。ここでは、選定時に押さえたい6つのポイントをご紹介します。
まず「何のためにツールを導入するのか」を明確にし、必要な機能が備わっているかを確認しましょう。たとえば、動画重視なら字幕機能、現場重視ならQRコード機能など、用途に合った機能を備えたツールを選ぶことがおすすめです。
ツールの使いやすさも重要です。直感的に操作できるか、マニュアル作成に慣れていないユーザーでもスムーズに使えるかを事前にチェックしましょう。無料トライアルやデモを活用して、実際の操作感を確かめるのが効果的です。
テンプレートの種類が豊富かどうかも重要なポイントです。業種や用途に合わせたテンプレートが揃っていれば、デザインに悩む時間を減らすことができます。また、作成のプロセスを容易にできるため一人ひとりが短時間で見栄えのよいマニュアルを作成することにもつながります。
PDF、Word、HTMLなど、さまざまな形式でマニュアルを出力できるか確認しておきましょう。共有先や運用方法に柔軟に対応できるツールであれば、社内外への展開もスムーズです。出力制限があるツールは、その用途で利用しないかどうかをよく検討しましょう。
導入後のトラブル対応や不明点解消のため、サポート体制も必ずチェックしましょう。オンラインマニュアルやFAQに加えて、チャットや電話サポートがあると安心です。何かしらの問題に直面したときでも、迅速なサポートが受けられることがわかれば、運用定着にもつながります。
マニュアルには企業の機密情報やノウハウが含まれているため、外部への情報漏洩は避けなければなりません。使い勝手を求めるのはもちろん大切ですが、時間や場所を選ばずに閲覧できてしまうと、その分リスクも高くなってしまいます。最近では、サーバーの常時監視、通信の暗号化、不正アクセスのブロック、アカウントの権限設定などセキュリティを高められる機能が増えてきています。信頼できるツールを選んで、自社の情報をセキュリティリスクから回避しましょう。
マニュアル作成ツールは、効率的かつ高品質なマニュアル作成を実現できる心強い存在です。テンプレート機能や自動生成機能、検索機能を活用すれば、一人ひとりがスムーズに作業でき、組織全体の業務効率化にもつながる効果が期待できます。
一方で、ツールによっては費用負担が大きかったり、目的に合わなかったりすることもあります。導入前には、自社の目的や運用スタイルに合ったツールを慎重に選び、操作性やサポート体制も確認することが重要です。
それでも「どのツールがよいのかわからない」「マニュアル作成に時間をかけられない」とお悩みの方は、プロのマニュアル作成代行サービスを活用するのも有効な選択肢です。
フィンテックスでは、業務マニュアル・操作マニュアルの作成代行サービスのほか、マニュアルコンサルティングとしてマニュアル関連の課題解決にも対応しています。マニュアル作成ツールの選定などについても、お客様の課題感に合ったものをご提案可能です。目的や業務内容に応じた最適なマニュアルをスピーディにご提案しますので、ぜひお気軽にご相談ください。
つい読んでしまうマニュアル作成のリーディングカンパニー、株式会社フィンテックス
監修者
企画営業部 営業本部長 / 経営学修士(MBA)
<略歴>
フィンテックスにて、マニュアル作成に関する様々な顧客課題解決に従事。
金融系からエンターテインメント系まで様々な経験から幅広い業務知識を得て、「分かりやすいマニュアル」のあるべき姿を提示。500社以上のマニュアル作成に携わる。また、複数の大企業でマニュアル作成プロジェクトの外部マネージャーを兼務している。
趣味は茶道。
月刊エコノミスト・ビジネスクロニクルで取材していただきました。ぜひご覧ください。
https://business-chronicle.com/person/fintecs.php
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