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マニュアルはWeb化するのがおすすめ!メリットやデメリットは?

マニュアルを作成する際、紙媒体とWebのどちらにしようか悩んでいる方もいるでしょう。メリットの面から考えると、今後はマニュアルのWeb化を検討してみるのがおすすめです。

ただ、まだWebマニュアルと紙媒体のどちらにしようか悩んでいる方のため、それぞれの違いやWeb化のメリット、デメリットを解説します。この記事を読むことによって自社の場合はWebマニュアルが向いているか見えてくるので、ぜひ参考にしてみてください。

目次
Webマニュアル(デジタル)と紙媒体のマニュアル
Webマニュアルの概要
Webマニュアルのメリット
Webマニュアルのデメリット
Webマニュアル作成の手順や費用
Webマニュアル作成のポイント
何かとメリットの多いマニュアルのWeb化

Webマニュアル(デジタル)と紙媒体のマニュアル

マニュアルにはWebマニュアルのほかに紙媒体のものもあります。現在は紙媒体のマニュアルを使用しているものの、Web化を検討しているといった企業もあるでしょう。

近年は、さまざまなシーンでWeb化が進んでいます。マニュアルもその一つです。
中には「そもそもマニュアルは紙媒体で提供しなければならないもの」と認識している方もいるのではないでしょうか。

ですが、2012年に発行された国際規格IEC82079-1 においては「使用説明はWebのみでの配信も可」としています。実際に、紙媒体のマニュアルは何かと使いにくいと感じている方もいるでしょう。
このような関係もあり、近年はWebマニュアルに移行しつつあります。

参照元:菅野 裕.取扱説明書のスマート化.新PL研究.2021,6,p. 81-86.

Webマニュアルの概要

そもそも、Webマニュアルとはどういったものなのでしょうか。マニュアルのWeb化を検討するにあたり、おさえておきたい概要から解説します。

Web化の選択肢

Webマニュアルとは、Web上で閲覧できるマニュアルのことであり、代表的な方法はPDF、HTML、アプリの3つです。

PDFマニュアルは、Wordなどで作成したマニュアルをPDFで出力し、サーバ上にアップロード・公開することで、Web化することができます。

HTMLマニュアルは、マニュアルのデータをHTML化してサーバ上にアップロードするか、クラウド型の作成ツール(WordPress等)で作成・公開することで実現できます。
また、企業の中には教育マニュアルや業務マニュアルをアプリ形式で配信しているところもあります。

Webマニュアルが向いているケース

紙媒体よりもWebマニュアルが向いているケースがいくつかあります。
例えば紙媒体の場合、数年に一度程度の更新頻度であれば対応しやすいですが、頻繁に更新が必要な場合はそのたびに印刷しなおさなければなりません。そのため、更新頻度が高い場合は容易に更新できるWebマニュアルのほうが向いています

また、マニュアルの情報量が多くてページ数や文字数が膨大になるものに関しては、検索性が良く印刷コストがかからないWebマニュアルが向いています。 複数人でマニュアルを作成・編集する必要がある場合も情報を共有しやすいWebマニュアルのほうがおすすめです。

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マニュアルのオンライン化を進める方法とは?

Webマニュアルのメリット

マニュアルをWeb化することにより、多くのメリットがあります。ここでは、代表的なメリットを6つ紹介します。

持ち運びやすい

Webに接続できる環境であれば閲覧できるため、手軽に持ち運びが可能です。
紙媒体のマニュアルも持ち運ぶことは可能ではありますが、ページ数の多いマニュアルだと重量があるほか、かばんの中を圧迫してしまうこともあるでしょう。特に何冊か持ち運ぶ必要が出てきたとき、かなりの重量になることが多いです。

Webマニュアルなら何冊でも重量が変わらないのはもちろんのこと、スマホやタブレット、パソコンなどを活用してWeb接続できる環境であればどこからでも閲覧できます。外出先に持ち運ぶ場合、紙媒体は持っていくのを忘れてしまえば閲覧できなくなってしまうので、非常に不便です。持ち運びが簡単なのはWebマニュアルの大きなメリットといえるでしょう。

ただし、持ち運ぶときはセキュリティ面に十分に注意してください。

更新・公開が容易である

紙媒体のマニュアルの場合、情報を更新しようと考えた際には内容を編集し、それを印刷してマニュアル化しなければなりません。さらにユーザーに新しいマニュアルを配布する必要も出てきます。

一方でWebマニュアルであれば、いつでも最新の情報に更新・公開可能です。必要な箇所を修正したマニュアルデータを作成し、アップロードしたり公開したりするだけなので、それほど手間やコストがかかりません。

また、Webマニュアルのアクセス数を取得すれば閲覧数の多い情報も見えてきます。「閲覧数の多い情報=ユーザーが困っていること」とも判断できるので、よりわかりやすく内容を編集するなどの工夫をすれば、顧客満足度を高めることにもつながるでしょう。

動画も活用できる

Webマニュアルならではの強みとして挙げられるのが、テキストや画像だけではなく、動画やアニメーションも利用できることです。テキストや画像だけではどうしてもわかりにくいことがありますが、そういった場合は動画を用いることでユーザーがより理解を深められます。

動画では、音声や動きによって詳しく解説することも可能です。そのため、詳細な情報が必要であることに関しては動画を活用することでマニュアルとしての完成度を高めることができます。

検索性が高い

紙媒体と比較すると検索性はWebマニュアルの方が高いといえます。
紙媒体の場合、目次などを参考にしながら必要な情報は紙をめくる形で探さなければなりません。求めている情報がなかなか見つけられず、ストレスを感じてしまうこともあるでしょう。

一方で、Webマニュアルの場合はキーワード検索のほか実際の製品画像などをもとに検索できるビジュアル検索に対応しているものもあるため、いち早く求めている情報にアクセス可能です。利便性を高める目的で検索結果部分に関連情報のリンクを添えるのも良いでしょう。
このように紙媒体マニュアルと比較してより親切で使いやすいマニュアルにできます。

紛失リスクが低い

Web化されたマニュアルは端末のローカルドライブには保存できない仕様になっている場合があります。また、パソコンやタブレットなどにはロックがかけられていることが多いため、仮にパソコンやタブレットなどを紛失したとしてもマニュアルの内容自体が漏えいするリスクは低いといえます。

例えば、会社で紙媒体のマニュアルを使用している場合、それを紛失してしまえば内部の情報が漏えいする可能性があります。また、紙媒体は簡単にコピーできる特徴を持つことからコピーしたマニュアルを落とすなどして紛失してしまうこともあるでしょう。

マニュアルに記載されている内容によってはライバル企業に知られると困るものもあるはずです。
そういったものは紙ではなく、Webマニュアルで管理した方がセキュリティ対策にもつながります。

印刷コストがかからない

紙のマニュアルを用意する場合、それを印刷するコストがかかってしまいます。ページ数が多いものや発行数が多いものは、それだけコストも大きくなるでしょう。
また、かかるのは印刷コストだけではありません。差し替えが必要になった場合はその費用もかかるほか、各事業所へ配送する際のコスト、不要になったものは廃棄するコストもかかります。

Webマニュアルの場合はマニュアルの保存先によってはサーバを使用するためのコストがかかることもありますが、印刷関連のコストは発生しません。マニュアルの印刷コストが高くついていることが問題となっている場合はWeb化を検討してみると良いでしょう。

Webマニュアルのデメリット

Webマニュアルには注意しておきたいデメリットもあります。自社でマニュアルのWeb化に取り組もうか悩んでいる場合は、デメリットがメリットを上回らないか判断することが重要です。
代表的なデメリットは以下の2点です。

端末や電源が必要

Webマニュアルはオンラインでしか確認できないことから、インターネットに接続するための端末が必要です。また、その端末も充電がなくなればマニュアルを閲覧できなくなってしまいます。
すぐに電源を確保できない場合は、マニュアルを閲覧できずに困ってしまいます

近年は多くの方がスマートフォンやパソコンなどを持っているため、マニュアルにアクセス可能な端末が必要であること自体はそれほど大きなデメリットとはいえません。
ですが、これらの端末で情報を調べるよりも紙媒体の方が使いやすいと感じる方がいる可能性もあります。このあたりはデメリットといえるでしょう。

インターネットに接続する必要がある

基本的にWebマニュアルの多くはインターネットに接続して閲覧する形になります。そのため、インターネットが使えない環境ではマニュアルが閲覧できなくなり、不便に感じることもあるでしょう

注意しなければならないのが、テキストではなく画像や動画中心のマニュアルにした場合、データ通信量が多くなってしまうことです。Wi-Fi環境がある場合は問題になりませんが、外出先などでマニュアルを閲覧する際、データ通信量が気になってしまう可能性があります。
Web上に公開されたマニュアルをスマートフォンやパソコンにダウンロードしておいたり、紙に印刷したりするなどの方法で対応できますが、そのために手間が発生するのはデメリットです。

Webマニュアル作成の手順や費用

Webマニュアルを作成しようと考えた際、事前に作成の手順とかかる費用を確認しておきましょう。ここでは作成時の注意点も含めて解説します。

手順

Webマニュアルを作成する際の基本的な手順は以下の通りです。

【ステップ】

  1. マニュアル作成の目的を明確にする
  2. スケジュールの決定
  3. 見出し・タイトルの決定
  4. 使用するツールの検討
  5. 内容の作成

もし、Webマニュアル作成を自分で行う場合は、マニュアル作成ができるソフトや各種ツールなどを活用して行うのが一般的です。例えば、HTMLマニュアルを作成する場合はWordPressというソフトウェアや、Googleが提供しているWebサイト作成ツールなどを使った方法もあります。
また、Webマニュアル作成を外注する選択肢もあります。
どのような形でマニュアルを作成するのか考え、それに合った選択肢をとるようにしましょう。

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費用

マニュアルをWeb化するのにかかる費用は、自社で対応するのか、外注するのかによって異なってきます

自社で対応する場合は費用を安く抑えることもできるでしょう。ただ、制作会社に外注するとわかりやすいマニュアルを作成できることや作成時間の短縮につながることなどのメリットがあります。費用感は、ぜひ各社に問い合わせてみてください。

注意点

Webマニュアルを作成するにあたり注意しなければならないのが、業務によってはWebマニュアルだけではなく紙媒体のマニュアルも作成しておいた方が良いケースがあるということです。

例えば、端末の充電が切れた、インターネットに接続できなくなったといったトラブルによってWebマニュアルに接続できなくなった時は、紙媒体のマニュアルが頼りになります。また、何か問題が起こった際の緊急対応などをすべてWebマニュアルのみにまとめてしまった場合、アクセスできなくなった際に大きな混乱を招いてしまう可能性もあります。
トラブル発生時の対応方法について、社内ルールを取り決めておくと良いでしょう。

Webマニュアル作成のポイント


Webマニュアルを作成する際、とにかく情報を詰め込めば良いわけではありません。紙媒体と比較して膨大な情報を掲載できますが、それらは利用者にとってわかりやすく、見やすい形で掲載しましょう。
ポイントとして、レイアウトを統一すること、見やすいUIにすることが挙げられます。それぞれ解説します。

レイアウトを統一する

マニュアルに一体感を持たせられるように、レイアウトは統一しましょう。
例えば、見出しの色やテキストサイズ、画像の位置などです。画像を並べた際に横軸がそろっていなかったり、テキスト同士の間隔がページ・場所によって異なったりするレイアウトは避けましょう。
ページによってレイアウトが異なると何となく見にくいと感じたり、バランスが悪くなったりしてしまいます。

また、文字を強調する場合も強調箇所のルールを作っておくことをおすすめします。このあたりはあらかじめマニュアルの目的を明確にしておくことにより、どこをどのような形で強調すれば良いのか判断しやすくなるはずです。

見やすいUIにする

見る人にとってわかりやすく使いやすいマニュアルを作るためには、見やすいUIにこだわる必要があります。UIとはユーザーインターフェースの略であり、利用者であるユーザーと製品やサービスをつなぐ接点(インターフェース)のことです。

マニュアルは何かしたいことがあった時に使うものです。そのため、ユーザーが求めている情報にいち早くたどり着けるような形に整えておかなければなりません。
直感的に使用できること、見た目で情報がきちんと仕訳けられていることが、見やすいUIにするためのポイントです。 Webマニュアルの作成が完了したら実際に複数人でチェックして理想的なUIになっているか確認しましょう。

何かとメリットの多いマニュアルのWeb化

いかがだったでしょうか。Webマニュアルの特徴やメリット、デメリットを紹介しました。
これらの項目を確認し、自社にとってメリットが大きいと感じる場合は、Web化について検討してみるのがおすすめです。

フィンテックスでは、マニュアルコンサルティングを行っています。現在紙媒体で運用しているマニュアルを単純にWeb化するだけではなく、各社に適したマニュアルの形態・運用方法についてもご提案が可能です。
マニュアルのWeb化でお困りのことがある場合もぜひフィンテックスへご相談ください。

つい読んでしまうマニュアル作成のリーディングカンパニー、株式会社フィンテックス

監修者

監修者の写真

中丸 貴仁

企画営業部 営業本部長 / 経営学修士(MBA)

<略歴>

フィンテックスにて、マニュアル作成に関する様々な顧客課題解決に従事。 金融系からエンターテインメント系まで様々な経験から幅広い業務知識を得て、「分かりやすいマニュアル」のあるべき姿を提示。500社以上のマニュアル作成に携わる。また、複数の大企業でマニュアル作成プロジェクトの外部マネージャーを兼務している。 趣味は茶道。

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