マニュアルアカデミー
「手順書の作り方は?」
「手順書を作る際のコツはあるの?」
手順書作りに苦戦している方は多いのではないでしょうか。
手順書を作成するには、いくつかのコツがあります。
ここからは、手順書の作り方やコツについて紹介します。
最後までお読みいただき、手順書作りの参考にしてください。
目次
マニュアルと手順書の違いとは
手順書に入れるべき項目
手順書の作り方の手順
手順書を作成するコツ
みんなに必要とされる手順書の作り方は
マニュアルと手順書には、どのような違いがあるのでしょうか。
それぞれの目的、役割、メリットをみていきましょう。
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マニュアルには、業務マニュアルや操作マニュアル、また模範マニュアルや教材・訓練マニュアルなどの種類があります。
そのなかでも、今回は業務マニュアルにフォーカスして紹介します。
業務マニュアルは、業務全体のフローやルール、業務中の判断に困った際の基準などを記したドキュメントです。
テキストを中心に、図や写真などを入れて作成されることがほとんどですが、従業員に伝わりにくいため、複雑な業務には適していません。
そのため、最近では業務内容に応じて、動画マニュアルを取り入れている企業もあります。
動画マニュアルとは、商品の使い方や業務上の作業手順、システムの操作手順などを動画にまとめたマニュアルのことです。
視覚や聴覚に訴えられることにくわえて、テロップを入れることができるので、テキスト中心のマニュアルより、動きなどが具体的にイメージできるのが特徴です。
マニュアル作成について詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
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「マニュアル作成の基本のフローとは?運用ルールの作成とともに解説」
業務マニュアルは、従業員に業務の全体像を把握してもらう目的があります。
そのため、作業内容や手順の詳細ではなく、状況に応じた行動をとるための情報がまとめられています。
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「マニュアル作成の目的とは?作成のコツとともに紹介」
業務マニュアルの役割は、業務の手順や概要、また背景や理由などを説明することです。
業務を行う背景や理由は、一見説明する必要がないように感じるかもしれません。
しかし、従業員が背景や理由を知ることで、業務の効率化につながります。
なぜなら、従業員が業務に関する情報の整理を行えるのはもちろんのこと、作業に配慮して行動するようになるからです。
業務マニュアルには、業務の手順や概要だけでなく、理由や背景の説明が求められます。
業務マニュアルを整備することで、従業員は業務をスムーズに進められます。
なぜなら、不明点を都度質問する手間が解消されると同時に、質問される側も途中で作業を止めて対応する必要がなくなるからです。
また、業務マニュアルには業務の注意点や背景が記載されているため、気をつけなければならない点などを、事前に確認しながら業務の遂行が可能になります。
その結果、従業員の業務の精度とスピードがあがり、作業効率の向上を図れるのです。
手順書は、作業の手順が詳細に記されています。
内容どおりに作業を行って、誰でも同じ結果が得られる作りになっていることが理想です。
たとえるなら、料理のレシピ本です。
レシピ本に書かれている手順や分量どおりに調理すると、大体は同じ料理が出来上がります。
手順書は、業務のなかのひとつひとつに焦点をあてて明記されるため、イレギュラーがないような単純作業に向いています。
手順書の目的は、結果を均一化することです。
ひとつの作業を複数の従業員が担当するとき、手順書がない状態で、複数の従業員が同じ作業を行うと、クオリティに差が生じます。
これは、企業の信用にも関わっているため、誰もが同じレベルで作業を進められるような仕組み作りが必要です。
そこで、手順書を作っておくことで、誰もが同じ品質を保って作業を遂行できます。
手順書は、単純な作業が多い業務において大切な役割を担っているのです。
手順書には、従業員が迷わず作業を進めるための役割があります。
作業中に不明点が発生した際、自分で考えたうえで調べる、またはほかの人に聞くという選択肢がありますが、どれも作業を中断しなければなりません。
作業を中断することで、集中力や業務効率が低下してしまうおそれがあります。
それらを避けるためにも、業務マニュアルとは別で、手順書を作成することをおすすめします。
手順書を整備することで得られるメリットとしては、作業の効率化や作業進行度の均一化などが挙げられます。
初めての作業でわからないことがあったとしても、手順書さえあればほかの従業員に教わらずに、一人で作業を進めることが可能です。
そのため、作業の効率化が図れるだけでなく、教育に人員を割く必要がなくなるため、教育費の削減にもつながります。
また、作業の進行を均一化できることで作業状況の確認が容易になります。
業務マニュアルと手順書の作成方法にそこまで違いはありませんが、重点をおくポイントがそれぞれ異なります。
では、重点をおくポイントにどのような違いがあるのかをみていきましょう。
業務マニュアルを作成する際は、目的に重点をおくことを意識しましょう。
なぜなら、目的によって内容や説明する対象の範囲が異なるからです。
目的とずれた内容では、本来の業務マニュアルの意味である、業務全体の把握から大きく遠のいてしまいます。
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「業務マニュアルはどのように作成する? 流れやコツを詳しく解説」
手順書を作成する際は、必要な作業の洗い出しに重点をおきましょう。
誰がみてもわかるような手順書を作成するためには、作業の手順を詳細に記載することが求められます。
そのためにも、一から手順を洗い出して、それらを整理する必要があります。
ここからは、手順書作成時に入れるべき項目について紹介します。
それぞれ確認しましょう。
1つ目の項目は作業の名前と目的です。
作業の名前を明記することで、これから作業する人がどこをみればいいのかわかりやすくなります。
さらに、目的を明記することで、その作業の確実性が高くなります。
工場のラインで例えると、作業の一つとして「指さし確認」などが挙げられます。
また、この時の作業の目的は「確認項目の抜け漏れを防ぐため」としています。
2つ目の項目は、作業に必要なものです。
これから行う作業をスムーズに行うために明記します。
「料理」に例えると、作業に必要なものは食材や調理器具です。
料理している途中で急にラム肉を焼くといわれても、用意できないので困ってしまいますよね。
そのような困りごとをなくすために作業に必要なものを明記しておきましょう。
3つ目の項目は、手順や動作のポイントです。
手順の説明を明記する時、動作のポイントも明記することでわかりやすい手順書になります。
動作のポイントを「受付」に例えると、来客者の名前を尋ねる際は、目を合わせながら笑顔で対応する、になります。
手順だけだと来客者の名前を尋ねるだけですが、目を合わせながら笑顔で対応することがポイントとなります。
4つ目の項目は基準です。
手順を行った結果の基準を明記することで、手順を行ったあとの確認ができます 。
基準を「清掃」に例えると、ごみが落ちていない状態になればOKなどです。
こうすることで、他の人にチェックしてもらうことなくセルフチェックで完了できます。
その結果、業務効率もよくなるという利点もあります。
最後の項目は注意事項です。
細かな手順の説明では盛り込めなかった注意事項を明記することで、ミスを防ぐことができます。
注意事項を「ゴミ出し」に例えると、朝8時までに出すようにすることです。
このように手順とは別の大切なことを明記することで、手順を確実に遂行することができます。
ここからは、具体的な手順書の作り方を説明します。
それぞれ解説します。
はじめに作業を洗い出し、記載事項を決めます。
洗い出し方法は、実際に作業を行っている担当者から聞き出しましょう。
担当者に聞いた内容を基に、手順書にどんな内容を記載するのか選びます。
この時、注意事項などもしっかりヒアリングしておきましょう。
手順書作成の土台部分のため、ヒアリングは漏れなく行うことが大切です。
目次を決めることで、これからの手順書作成作業が楽になります。
この時、洗い出し時にヒアリングした担当者に確認してもらうようにしましょう。
このあとの内容漏れや認識相違が少なくなります。
次に行うのが内容の作成です。
目次は決まっているので目次の項目に沿って、解説(中身)を作成していきます 。
この時、図や絵を挿入したり、手順やポイントの色を分けたりすることで手順書が一気にみやすくなります。
手順書はみやすくないとみてもらえなかったり、読み飛ばしてしまったりします。
そのため、みやすさも重視して作成しましょう。
内容が完成したら校閲です。
校閲とは内容に不備がないか確認することです。
誤字脱字だけでなく手順やポイントの記載漏れがないかまで確認します。
セルフチェックはもちろん行いますが、作った本人では気づかないうちに「これくらい知っているだろう」という気持ちが生じて、説明を端折ってしまう場合もあります。
そのため、第三者に実際に手順書をみながら作業してもらうといいでしょう。
自分でも気づかなかったミスが出てくるかもしれません。
校閲が終わったら仮運用です。
実際に手順書を利用してもらい、利用者に使った感想をヒアリングします。
ここで利用者から出た疑問点や追加点はありがたい意見として、手順書に反映することを前向きに検討しましょう。
検討した結果、修正点があれば修正します。
仮運用後、正式運用がはじまります。
しかし、業務内容は日々変化するため随時見直しが必要です。
見直し時期は1年や3年など決めるようにしましょう。
定期的に内容を見直すことで常に最新の状態を保てます。
最新の情報を保っていないと作った手順書をみてもらえなくなる可能性が出てくるため、適宜見直しを行いましょう。
最後に手順書を作成するコツを紹介します。
それぞれみていきましょう。
実際に手順書を使う対象者は誰か想像しながら作成しましょう。
読み手によって必要な情報は変わります。
例えば、手順書を読む方が管理職の場合、社内の一般的なルールを知っている前提で手順書を作成できます。
しかし、いろいろな立場の人が利用する場合、新入社員に合わせて作成するようにしましょう。
そうすることで、全ての人が理解できる手順書ができあがります。
難しい専門用語は使わず、誰でもわかるような言葉を使いましょう。
手順書を利用する人が、管理職など入社年月が長いとは限りません。
新入社員も利用する手順書の場合、専門用語ばかりだと手順書の内容を理解するのに時間や労力がかかってしまいます。
手順書は品質を一定に保つため、わかりやすい内容で作成する必要があります。
そのため、誰でもわかるような易しい言葉を使いましょう。
文字だけの手順書にならないように表や図を使いましょう。
表や図があったほうが、みやすいだけでなく手順書の作成が容易に済む場合があります。
クリックしてほしいボタンがあるとき、言葉で説明するよりボタンの周りを赤丸で囲うと、とてもわかりやすいですよね。
手順書の作成時も赤丸に番号を振って欄外に「クリック」と書けば赤丸で囲まれているボタンをクリックすればいいということがわかります。
そのため、表や図は多すぎるかなと思うくらい挿入しましょう。
はじめから完璧を求めすぎず、PDCAサイクルを回しましょう
PDCAサイクルとは以下4つの頭文字を取ったものです。
このPDCAサイクルを回すことで、さらにわかりやすい手順書を作成できます。
はじめから完璧を求めすぎてPlan(計画)でサイクルが止まってしまうと、手順書を完成させることに時間がかかってしまうのです。
手順書は仮運用であるDo(実行)を経てはじめて完成します。
そのため、ある程度完成だと思ったタイミングで仮運用を回してみましょう。
フィンテックスでは、35年以上の実績・経験により、多種多様なマニュアル作成のニーズにお応えします。機器の「取扱説明書」やWebサービス等の操作手順を解説する「操作マニュアル」はもちろん、お客様社内業務のルールや手順を明示化した「業務マニュアル」の作成を得意としています。
特に、業務マニュアル作成に伴う「現状把握」(as-is)と「あるべき姿の検討」(to-be)の対応に強みを持っており、既存マニュアル・資料の解析、業務の見える化、業務フロー作成、業務の棚卸・体系整理等からお引き受けすることができます。
マニュアルを作成したいがどうすればよいか分からない、そんなお悩みの方はぜひフィンテックスへご相談ください。
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手順書の作り方やコツについて紹介しました。
はじめに作業を洗い出し、目次を作成することで、そのあとの作業が楽になります。
素早くPDCAサイクルを回すためにも、あまり時間をかけずにテンポよく作成するのが理想的です。
しかし、日々の業務をこなしながらの手順書作りは時間や体力的に厳しいものがあります。
さらに、わかりやすく活用されるマニュアルを作るには、いくつかのポイントを押さえなければなりません。
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監修者
企画営業部 営業本部長 / 経営学修士(MBA)
<略歴>
フィンテックスにて、マニュアル作成に関する様々な顧客課題解決に従事。 金融系からエンターテインメント系まで様々な経験から幅広い業務知識を得て、「分かりやすいマニュアル」のあるべき姿を提示。500社以上のマニュアル作成に携わる。また、複数の大企業でマニュアル作成プロジェクトの外部マネージャーを兼務している。 趣味は茶道。
2024.10.04
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