マニュアルアカデミー
店舗での業務を効率よく行っていくために取り入れたいのが、店舗マニュアルです。
ですが、そもそも店舗マニュアルが何かよくわからない方もいるのではないでしょうか。
そこで、店舗マニュアルを作成しようと考えている方のために、どのような種類があってなぜ必要なのか、どういった準備をすべきなのかなどを紹介します。
本記事を読むことで作成時の手順や注意点などもわかるようになるので、ぜひ参考にしてみてください。
目次
店舗マニュアルとは
店舗マニュアルの種類について
店舗マニュアルが重要な理由
店舗マニュアルを作成する前の準備
店舗マニュアルと作成する手順
店舗マニュアルを作成する際の注意点
効果的な店舗マニュアルを作成しよう
店舗マニュアルとは、効率的に店舗を運営していくために欠かせないルールや手順などをまとめたものです。マニュアルがあるからこそ従業員は店舗で定めているルールや業務を明確に理解し、自身の行動につなげていくことができます。
指導は上司や先輩が行う、いわゆるOJT(On the Job Training)が一般的ではありますが、人手が足りず、なかなか難しいと感じているケースもあるでしょう。そういった場合にマニュアルを用意しておくと従業員が自発的に判断して行動できるようになります。
効率的な新人教育を目指している場合にも欠かせないものです。
店舗マニュアルには、大きく分けると基本マニュアル、管理者マニュアル、オペレーションマニュアルといった3種類があります。
それぞれどのようなものなのか確認しておきましょう。
経営理念や販売戦略、就業時の規則やルール、服装の規定など、店舗にとっての基本になる情報をまとめたものです。
店舗で重視していることや、従業員の意識を統一するために必要な内容がまとめられています。
入社後はまず基本マニュアルに目を通すことになるでしょう。その他のマニュアルにとっても基盤になるものであり、マニュアル全体の方向性を統一する役割も果たします。他のマニュアルよりも優先して作成してみてください。
店長や副店長といった管理者向けに作るマニュアルのことです。管理者が参照すべき内容が掲載されており、例えば管理者としての役割や責任、予算管理、売上報告・売上管理などが含まれます。
他にも、従業員管理や在庫管理、仕入れ管理など、業務が多岐にわたるので、作成する際は新任者でもマニュアルを見れば判断できるような内容にすることが重要です。
業務手順書とも呼ばれるものであり、各業務の手順をわかりやすく記したものです。
例えば、接客を担当するフロアスタッフ向けのマニュアルでは、接客やレジ業務を行うにあたり必要となる知識や作業手順が章などに分けられて記載されています。
実際に店舗を運営するうえで欠かせない現場での業務内容をまとめたものです。
オペレーションマニュアルがあるからこそ、入社したばかりで十分な知識やスキルがないスタッフでも正確に業務を行うことができるようになります。
店舗マニュアルの作成には時間も手間もかかるので、作成を悩んでいる方もいるでしょう。ですが、作成により、以下のようなメリットが期待できます。
入社したばかりの新人には、基礎から伝えなければなりません。ですが、場合によっては指導係が忙しく、新人教育に時間を割けないようなケースもあるでしょう。
指導係による口頭説明のみで育成を行う場合、指導係が不在の際は新人教育が滞ってしまいます。
また、指導係が忙しそうにしているとわからないことがあっても聞きにくいため、ミスにもつながります。
ですが、マニュアルを用意しておけば、わからないことやつまずくことがあった際、新人は自身で問題を解決することが可能です。
また、マニュアルを使わない口頭での新人教育は担当する指導係によって指導のレベルが異なり、誰に教わったのかによって新人の理解力に差が生まれてしまうことがあります。
共通の内容で学べるマニュアルを用意しておけば、こういった心配もありません。
店舗マニュアルを作成することで属人化の解消が期待できます。
難しい業務でも手順をマニュアルにまとめておけば、それを読むことで誰でも同様の業務ができるようになるためです。
これにより、担当者しかわからない業務が発生してしまうのを防げますし、担当者不在で他の人が対応できないといったトラブルも起こりにくくなります。
特に接客サービスを提供する場合、担当した指導係の指導力や教わった側もそれぞれの理解力などの影響を受けて、サービスの質にばらつきが出てしまうことがあります。
一部のスタッフは対応力があるものの、そうでないスタッフもいるといった状態を避けるためには、提供するサービスの質を維持しなければなりません。
マニュアルを用意しておけば、その内容に沿って業務を行うことにより誰でもマニュアルで定めているレベルのサービスを提供することが可能です。
実際に店舗マニュアルを作成する際には、どのようなことに注目すれば良いのでしょうか。以下の4つの準備について確認が必要です。
はじめに、マニュアルを管理する担当者を決めましょう。担当者を決めることにより、誰が率先して動けば良いのか、誰が各種決定を下すのかなどが明確になります。
また、店舗マニュアルは一度作成したらそれで終わりではありません。実際にマニュアルを参考に運用しながら改善点を見つけ、より良いものに改善していくことが重要です。
この改善の判断を誰がするのか迷ってしまうこともあるので、そういったときのためにも担当者を決めておくことをおすすめします。
マニュアルを作成する際は、そのマニュアルを使用する人にとってわかりやすく、必要な情報を盛り込んだものでなければなりません。
そのため、実際にマニュアルを使用する対象者と、使用シーンを検討しましょう。例えば、新入社員を対象にする場合は、経験者であればわかるような簡単なことでも一からわかりやすく解説しなければなりません。
一方、ある程度業務に慣れている人を対象にするのであれば、そういった細やかな説明は必要なくなるでしょう。
マニュアルはとにかく細かく書かれたものほど良いというよりも、わからないことがあったときに参照し、読み手がすぐに理解できる内容であることが重要です。
あれこれ情報を入れ過ぎるとかえってわかりにくくなることもあるので、対象者にとって必要な内容、わかりやすい解説方法をよく考えましょう。
使用する対象者とシーンを決定したら、マニュアルに盛り込む内容を考えます。
各マニュアルでは、業務の手順とルールを明確にしておきましょう。この作業は担当者一人で行うのではなく、各部署の責任者や経験豊富なベテランスタッフも交えて行うのがおすすめです。
こうすることにより、実際の現場で本当に必要となる、わかりやすい知識をまとめた内容に仕上がります。
ある程度手順やルールがまとまったあとも、何人かに確認をお願いして意見をもらうと良いでしょう。
店舗マニュアルはこだわろうと思えば、どこまででもこだわれます。作成している途中に「あれも入れたほうが良いのではないか、これも必要ではないか」と思ってしまうと、なかなか完成しません。
あとから追加する事項があるとしても、まずは締切を設けて完成させ、実際に運用してみましょう。
運用を始めてみなければ見えてこない問題点もあります。
何度か作り直すことを前提とし、初めから完璧なものを求めないようにするのもポイントです。作成した内容に問題があることがわかったときや、追加したい内容が溜まったときなどに更新しましょう。
続いて、実際に店舗マニュアルを作成するための手順を解説していきます。担当者を中心に関係者で協力しながら進めていきましょう。
はじめに行いたいのが、業務内容の洗いだしです。必要な業務を可視化していくことにより、どのようなマニュアルが必要か見えてきます。
可能であれば、行われている業務や作業を、細かい部分まですべて抽出しましょう。
実際にその業務に携わっている人が行うことにより、漏れが出にくくなります。
初めから漏れなく全体をマニュアル化するのが難しいと感じている場合は、優先順位を付けて取り組んでいく必要があります。
例えば、飲食店の場合は、ホールの業務、キッチンの業務、店舗全体で行う業務それぞれを分けたうえで業務内容を可視化していくのがおすすめです。
現在行われている業務内容の洗いだしを行った際、改善や変更が必要と感じているものがあれば、マニュアルを作成するタイミングで見直してみるのも良いでしょう。
マニュアル作成に関する具体的なスケジュールを考えておきましょう。
作成においてよくある失敗が「空いた時間を使って作成しよう」と考えてしまうケースです。このような形で取り組んでしまうと、なかなか進みません。
「今週中に○○の手順まで進めておく」「○月までに完成させる」といった具体的なスケジュールをあらかじめ考えておきましょう。
注意点として、実際にマニュアルを作り始めてみると、思いのほか時間がかかることがあります。そのため、無理のないスケジュールを設定しておくことが重要です。
当初定めておいたスケジュール通りに進まない場合は予定を見直したり、マニュアル作成に携わる人員を増やしたりするなどの対応をしていきましょう。
全体の構成案を作ってマニュアルの中身を検討していきます。業務全体の流れを大見出しとして章立てし、各章でさらに細かい業務項目・流れに即して構成していくとわかりやすいです。
作業手順は時系列で並べると理解しやすくなるだけではなく、マニュアルを参考する際にどこに何が掲載されているのかも判断しやすくなるでしょう。
自社で一からマニュアルを作成しようと考えると、イメージが湧かず苦戦してしまうことも多いです。他社のマニュアルなども参考にしてみてはいかがでしょうか。
実際にマニュアルの中身を作成していきます。先に大見出しを決めておくことにより、どこにどこまでの内容を掲載すれば良いかもわかりやすくなるでしょう。
マニュアルの内容を作成していく際は、読む人にとってわかりやすい言葉を選ばなければなりません。専門的な用語などが使われていると結局意味がわからず、マニュアルが無駄なものになってしまうので注意しましょう。
企業の中には「店舗マニュアルを作成したものの、参照してもらえなかった」と困っているケースもあるようです。こういったことがないように、各業務の目的や達成基準、どんなときにこのマニュアルを参照するのかをわかりやすく掲載しておきましょう。
実際にマニュアルの運用を始めます。その後は、定期的に改善を繰り返していきましょう。
例えば、わかりにくいと指摘された部分がある場合は、表現方法を見直していかなければなりません。
また、万が一マニュアルの内容が間違っていて指示に従うと問題がある場合などは早急に修正が必要です。
マニュアルの内容が古いままになっていると、役に立ちません。業務内容などに変更があった場合は、そのタイミングで修正を加えていくことが重要です。
関連記事
「マニュアル作成で失敗しない方法!作成手順やコツを徹底解説」
店舗マニュアルを作成する際には、どういったことに注意すべきなのでしょうか。マニュアルは作ることが目的ではなく、業務改善や新人教育につなげていくことが目的です。
そのためには、以下の3つに注意しましょう。
テキストだけの表現ではわかりにくい部分もあるため、そういった箇所は表組や図などもうまく活用していきましょう。
他にも、イラストや漫画などを活用し、読みやすく仕上げている例もあります。
新人教育に活用するマニュアルの場合、テキストで説明するだけだとうまく理解できなかったり、勘違いしたりする部分もあるでしょう。業務経験のない新人にも理解しやすい言葉を使って、わかりやすい方法で解説する必要があります。
マニュアルを作成する際は、掲載されている内容を見るだけで勘違いすることなく意味や必要な作業を理解できるようにする必要があります。
複数の意味に取れるような表現は、読み手によって異なる意味でとらえてしまう可能性があるため、注意が必要です。
その文章を作成した本人だと曖昧な表現をしていることに気づけないことがあるので、できあがったマニュアルは複数人でチェックすると良いでしょう。
新人向けのマニュアルである場合は、知識のない新人に確認してもらい、わかりにくいところがないか、勘違いしそうなところはないか確認してみるのもおすすめです。
マニュアルがごちゃごちゃしていて、どこに何が掲載されているのかわからないようだと、参照しにくくなります。
本当に活用しやすいマニュアルを作成するためにも、読みやすい構成にこだわりましょう。
必要な情報に素早く辿り着けるようにするために必須ともいえるのが、目次です。わかりやすい見出しを作って目次にまとめると、目次を見るだけで必要な情報がどこに書かれているのか一目で理解できるようになります。
また、マニュアルの作成を進めていくうちに、見出しなどの順番を変えたほうが流れがスムーズになったり、わかりやすくなると感じたりする部分が出てくることもあるでしょう。構成を変更したほうが読みやすくなる部分は修正も必要です。
いかがだったでしょうか。店舗マニュアルの種類や作成手順などを紹介しました。作成するにあたり、確認しておきたい注意点などもご理解いただけたかと思います。
マニュアルはただ作成すれば良いわけではありません。本当に効果的な店舗マニュアルを作成することが重要です。
作成するのが初めてでどのように対応すれば良いかわからないと悩んでいるのであれば、ぜひフィンテックスまでご相談ください。店舗マニュアルを含め、各種マニュアル作成の相談を承っております。お気軽にご連絡ください。
つい読んでしまうマニュアル作成のリーディングカンパニー、株式会社フィンテックス
監修者
企画営業部 営業本部長 / 経営学修士(MBA)
<略歴>
フィンテックスにて、マニュアル作成に関する様々な顧客課題解決に従事。 金融系からエンターテインメント系まで様々な経験から幅広い業務知識を得て、「分かりやすいマニュアル」のあるべき姿を提示。500社以上のマニュアル作成に携わる。また、複数の大企業でマニュアル作成プロジェクトの外部マネージャーを兼務している。 趣味は茶道。
2024.10.04
2024.10.04
2024.10.04
2024.10.04
2024.10.04
2024.10.04