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平準化とは?標準化との違いや無理のない定着手法を解説

チームで仕事を進めるなかで、特定の人に業務が集中してしまったり、時期により忙しさに波があったりしませんか?こうした課題を解決し、チーム全体の生産性を安定させる鍵となるのが「平準化(へいじゅんか)」という考え方です。

今回は、平準化の意味やメリット、現場に定着させるための具体的なステップを解説します。

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目次
平準化とは?
ビジネスにおいて業務の平準化が注目される理由
平準化を進めるための4ステップ
平準化をスムーズに進めるための注意点
まとめ

平準化とは?

「平準化」という言葉は、ビジネスの場で頻繁に使われますが、その意味を正しく理解せずに使っている人もいるかもしれません。まずは平準化の定義と、よく混同されるキーワードとの違いを整理しましょう。

ビジネスにおける平準化の定義

ビジネスにおける「平準化」とは、業務の量や種類、負荷の偏り(波)をなくし、常に一定の状態に保つことを指します。

たとえば、ある時期は長時間の残業が発生するほど忙しいのに、別の時期では手持ち無沙汰で定時前に仕事が終わる……といった激しい波がある状態は、平準化ができているとは言えません。この時期ごとの波を均し、毎日安定したパフォーマンスを発揮できる環境を作ることが、平準化の目的です。

「標準化」や「平均化」との違い

平準化とセットで語られることが多い言葉に「標準化」や「平均化」があります。これらの単語は意味が混同されがちですが、以下のような違いがあります。

用語意味目的
平準化仕事の量や負荷を均一にすること待ち時間や過剰な残業をなくす
標準化仕事の手順や品質を統一すること誰がやっても同じ結果が出るようにする
平均化データや数値にのみ注目し、
均等な値に分けること
平均値を知り、数値的な差をなくす

標準化によって仕事のやり方・品質を揃えることで、初めて仕事の量を適切に割り振る平準化ができるようになります。平均化は単純に業務量の差異をなくす作業にすぎませんが、平準化はそこから一歩踏み込んで、リソースを最適に配置し直して負担を軽減するアクションを指します。

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トヨタ生産方式から学ぶ平準化の本質

平準化の考え方のルーツは、世界的に有名な「トヨタ生産方式(TPS)」にあります。

たとえば製造現場において、後工程のチームから前工程のチームへ「部品を一気に100個ほしい」「今日はゼロでよい」というように、日によって注文数のバラツキがあるとします。その場合、前工程のチームでは常に最大値に合わせて設備や人員を用意しなければならず、大きなムダが生じてしまいます。

そこでトヨタは、後工程が引き取る部品の量や種類を時間軸で一定に均し、生産の波を最小限に抑えました。

この考え方はオフィスワークでも同様で、締め切り直前に業務が爆発的に増えるような事態を防ぎ、一人ひとりの負荷を一定に保つ工夫が、ミスの防止や品質を高めることにつながります。

ビジネスにおいて業務の平準化が注目される理由

現代のビジネス環境では、労働時間の短縮と生産性の向上の両立が不可欠です。人手不足の深刻化や働き方改革が推進されるなかで、それらを実現するための鍵を握っているのが、業務の平準化です。なぜ多くの企業で平準化が注目されているのか、その理由とメリットについて見ていきましょう。

「属人化」と「ブラックボックス化」の解消

「あの人がいないと仕事が進まない」という状況は、チームにとって大きな不安要素です。ここで役に立つのが、標準化→平準化のステップです。まずは標準化で業務のプロセスや判断基準を統一、共有します。その結果、誰がどの業務を担当しても一定の成果が出せるようになり、業務のブラックボックス化を防ぐことができます。さらに、適正な業務量を各社員に割り振りやすくなるので、平準化が促進されます。標準化から平準化への流れは、急な欠勤や退職などにも柔軟に対応できる、これからの強い組織作りに不可欠といえます。

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残業の削減とワークライフバランスの実現

業務量の波が激しい現場では、繁忙期の過度な残業が慢性化し、社員の心身に大きな負担がかかります。平準化によって業務量を一定に保つことができれば、予測可能なスケジュールで仕事が進められるようになります。結果として残業が減り、社員が柔軟に勤務・休暇取得できる環境が整うとともに、離職率の低下も期待できます。

コスト(人件費)の最適化

繁忙期の業務量に合わせて人員の確保を行っていると、閑散期には人手が余ってしまいます。平準化によって繁閑の差を小さくできれば、限られた人数で効率よく業務を回せるようになります。無理のない人員配置はコスト削減だけでなく、会社全体の利益率の向上にも貢献します。

チーム全体のスキル底上げとリスクマネジメント

平準化の過程では、業務負担が減ることで新たな業務を学ぶゆとりが生まれるため、一人ひとりがさまざまな業務をこなせる多能工化が進みます。自分の担当以外の業務がわかるようになると、チーム内での相互フォローが活発になります。ミスが発生した際も周囲が気づきやすくなるため、トラブルを未然に防ぐリスクマネジメントとしても極めて有効です。

平準化を進めるための4ステップ

平準化は一度にすべてを変えようとせず、段階を追って進めることが大切です。無理なく現場に定着させるための、具体的な4つのステップを詳しくご紹介します。

【可視化】現状のタスクとスキルマップの作成

平準化の第一歩は、チームの現状を正しく把握することです。まずは一人ひとりがどのような業務を、どのくらいの時間をかけて行っているのかをすべて書き出してみましょう。併せて、誰がどの業務を担当できるのかを一覧にしたスキルマップを作成するのもおすすめです。チームメンバーの得意・不得意な作業や、特定の担当者に依存している業務がどこにあるのかが、目に見えてわかるようになります。

【標準化】マニュアル整備による業務品質の統一

現状を把握した後は、標準化で業務の手順や判断基準を統一します。

担当者ごとに手順が異なると、他のメンバーのフォローに入ることや、新人へのレクチャーが難しくなってしまいます。誰が担当しても同じ品質で業務が進められるよう、判断基準や手順をまとめたマニュアルを整備しましょう。ルールが明確になることで、次のステップへスムーズに進むことができます。

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【再分配】リソースの最適配置と「多能工化」の推進

標準化が進んだら、特定のメンバーに偏っていた業務を、余力のあるメンバーへ少しずつ切り出していきます。このとき、複数の業務をこなせる多能工化を意識してトレーニングを行うのがポイントです。

具体的には、メインの担当者が休んでもサブの担当者が対応できるように、日頃から業務を交代して経験を積む機会を作ります。お互いの業務をカバーし合える体制を整えるとともに、閑散期と繁忙期の差を埋めるようにスケジュールを調整することで、チーム全体の負荷が一定に保たれるようになります。

【仕組み化】ITツール・タスク管理システムの活用

最後は、整えた状態を維持するための仕組み作りです。一度平準化しても、状況が変わればまた偏りが発生するため、タスク管理システムなどを活用してリアルタイムで進捗を確認できるようにしましょう。

有料の便利なタスク管理ツールは数多くあるものの、操作の習得に時間がかかり、現場に浸透しにくいケースも少なくありません。

まずはExcelやGoogleスプレッドシートなどの使い慣れたツールで共有表を作成し、タスクの担当者と期限を一覧にすることから始めてみるのがおすすめです。運用が定着し効率を高めたくなった段階で、現場の要望に合った専用ツールの導入を検討するのがよいでしょう。

いきなり大きな改善をするのではなく、小さな改善を積み重ねてそれぞれの負担を減らしていくことが、強いチーム作りへとつながります。

平準化をスムーズに進めるための注意点

平準化は、単に仕事を割り振り直すだけではうまくいかないこともあります。現場のメンバーが前向きに取り組めるように、リーダーとして配慮しておきたいポイントを確認しておきましょう。

現場メンバーの心理的な抵抗(不公平感)への対策

仕事を平準化しようとすると、業務の担当者から「なぜ自分の仕事が減らされるのか」「今まで通りがやりやすい」といった抵抗感を持たれることがあります。これは、自分のスキルが否定されたように感じたり、変化に不安を感じたりするためです。

平準化は今までの経験やスキルを否定するためではなく、チーム全員が楽に、柔軟に働けるようにするためのものだと、丁寧に目的を伝えることが大切です。

平準化を阻まないための評価制度の見直し

「人より多くの仕事をこなしているから評価される」という評価基準だけでは、平準化によって仕事量が均等になることを損だと感じる人が出てきてしまいます。平準化に並行して、評価制度の見直しも行うことがおすすめです。

たとえば、個人の処理量だけでなく、業務負担を改善するための提案を積極的に行う、複数の業務をこなせるようになるといった「チームへの貢献度」を評価する視点を取り入れてみましょう。

一人ひとりが協力し合える土壌を整えることが、平準化の定着につながります。

一度で終わらせない「継続的な改善(PDCA)」の重要性

業務の流れやメンバーの状況は日々変化するものです。一度仕組みを作って安心するのではなく、定期的に「無理が生じていないか」「新しい業務が属人化していないか」を確認する場を設けるようにしましょう。現場の声を聞きながら、その時々の状況に合わせて微調整を繰り返していくことで、平準化は形だけのルールではなく、チームの文化として根付いていきます。

専門家の視点を取り入れた「暗黙知」の可視化

平準化を進めるうえで壁となるのが、ベテラン社員などが持つ「経験に基づく勘」や「言語化されていないノウハウ(暗黙知)」です。これらは単に作業手順を書き出すだけでは可視化されない部分です。平準化を進めるためには、この暗黙知の可視化までを意識しましょう。

フィンテックスでは、第三者だからこそできる客観的なヒアリングで暗黙知を丁寧に言語化し、誰もが再現できる形でマニュアルに落とし込むためのコンサルティングを得意としています。自社作成のマニュアルでは見落としがちな「初心者の視点」を含めた、わかりやすいマニュアル作成をサポートします。

まとめ

業務の平準化は、単に仕事の量を均等に分けることではありません。チーム一人ひとりが無理なく安定してパフォーマンスを発揮し、お互いをフォローし合える強い組織を作るための大切な戦略です。

まずは現状を可視化し、Excelなどの身近なツールを活用しながら、業務の標準化を目指すスモールステップで始めてみましょう。標準化が進むことで業務負担の偏りが解消され、平準化が定着します。メンバーが安心して働ける環境が整えば、チーム全体の生産性は自然と向上していきます。

フィンテックスでは、業務の平準化につながる業務マニュアル整備を得意としています。現場特有の複雑な業務をどう言語化すべきか迷っている、本当に使いやすいマニュアルを作成したい方は、お気軽にご相談ください。

マニュアル作成のコツ

監修者

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中丸 貴仁

企画営業部 営業本部長 / 経営学修士(MBA)

<略歴>

フィンテックスにて、マニュアル作成に関する様々な顧客課題解決に従事。 金融系からエンターテインメント系まで様々な経験から幅広い業務知識を得て、「分かりやすいマニュアル」のあるべき姿を提示。500社以上のマニュアル作成に携わる。また、複数の大企業でマニュアル作成プロジェクトの外部マネージャーを兼務している。 趣味は茶道。
月刊エコノミスト・ビジネスクロニクルで取材していただきました。ぜひご覧ください。
https://business-chronicle.com/person/fintecs.php

フィンテックスでの取引実績

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