マニュアルアカデミー
多くの企業では文章や動画で作られた業務マニュアルが存在し、会社の業務や研修のために使用されます。社員が、会社の規定やルールを理解して業務を円滑に遂行するために、行動規範・法令の遵守に導くのがマニュアルの役割です。
業務の標準化や情報共有を進めるうえで、マニュアルの整備は欠かせない取り組みとなっています。最近では、専用アプリを活用して、より効率的にマニュアルを作成・運用する企業が増えていますが、アプリの種類や機能もさまざまで、選び方に悩む方も少なくありません。
本記事では、マニュアル作成に役立つアプリの基本知識から、アプリを使うことのメリット・デメリット、選び方や活用のコツまで幅広くご紹介します。これからアプリの導入を検討している方、マニュアル整備を通じて業務改善を目指している方に向けて、わかりやすく解説します。
目次
マニュアル作成アプリとは
マニュアル作成アプリが注目されている理由
マニュアル作成アプリの種類
マニュアル作成アプリを活用するメリット
マニュアル作成アプリのデメリット
マニュアル作成アプリを選ぶ際のポイント
マニュアル作成アプリをうまく活用するには?
まとめ
マニュアル作成アプリは、業務手順や操作方法をわかりやすく記録・共有するための専用アプリです。従来はWordやPowerPointといった汎用なアプリが使われることが多かったですが、近年では専用アプリを活用することで、より効率的な作成・運用が可能になっています。
これらのアプリは、テキストや画像だけでなく、動画や音声も組み合わせられるなど、マルチメディア対応が特徴です。さらに、チームでの共同編集やアクセス権限の管理機能も備わっており、マニュアル運用に必要な仕組みが整っています。
また、ITリテラシーに自信がない人でも扱いやすい設計となっているため、社内でマニュアルを作成しようとする企業で検討・導入が進んでいます。
近年、マニュアル作成アプリが注目される背景には、業務の多様化や情報共有ニーズの高まりがあります。特に在宅勤務やリモートワークが普及し、業務ルールを正確に伝えるための仕組みがより重要になりました。
クラウド型のアプリの場合、作成・閲覧の場所を選ばずリアルタイムで情報共有ができるため、チームや部署を越えたマニュアルの連携を促進します。紙やファイル形式のマニュアルと比べて、更新や検索のしやすさも大きな利点です。
さらに、動画や画像を活用した視覚的な説明が可能な点も、若い世代のユーザーにとってわかりやすく、学習効率を高める要因となっています。マニュアル作成アプリは、業務効率化と教育の質向上に貢献するツールとして広がりを見せています。
マニュアル作成アプリには、業務の性質や目的に応じたさまざまなタイプがあります。ここでは代表的な2つ、手順式と動画式についてご紹介します。それぞれに特徴があり、用途に合った選択が重要です。
手順式アプリは、業務の流れや操作手順をステップごとに整理してまとめる形式です。画面キャプチャや画像を活用し、「操作→説明→注意点」といった構成で、誰でもわかりやすいマニュアルを作成できます。
ルーチン業務やシステム操作の説明に向いており、編集や更新がしやすい点も特長です。現場での改善点を即座に反映できるため、運用面でも柔軟に対応できます。
動画式アプリは、操作画面の録画やナレーション付き映像で手順を伝えるタイプです。言葉や画像だけでは伝わりにくい内容も、動きと音声を使うことで直感的に理解できるようになります。
接客の流れや機器の操作など、実際の動きを見ながら覚える必要がある場面に適しており、リテラシーに差がある新入社員やアルバイトにも効果的です。
マニュアル作成アプリを導入することで、マニュアル自体の品質向上やマニュアル作成時の効率化などのさまざまな効果が期待できます。ここでは、活用による主なメリットを5つご紹介します。
マニュアル作成アプリは、テンプレートや構成ガイドが用意されているため、誰でも一定水準のマニュアルを作成できます。
「どのような構成にするか」を一から考える場合、どうしても作成する担当者それぞれの個性が出てしまい、品質のバラつきにつながってしまう可能性があります。
テキストに加え、画像や動画も簡単に取り入れられるため、視覚的にわかりやすく、内容の理解度も高まります。また、更新作業がしやすく、常に最新の状態を保てる点も大きな特長です。
マニュアル作成アプリを活用することで、作成にかかる時間や手間を削減できます。
たとえば、システム画面の説明を記載する際に画面をキャプチャしてマニュアル内に配置する場合、通常は画面キャプチャ後のトリミングや画像の縮小・拡大といった作業が必要です。しかし、マニュアル作成アプリでは画像編集機能や自動取り込み機能などがあるため、細かな作業を行う必要が無く、情報を整理してマニュアルにまとめることが可能になります。
作成・更新の作業負担を軽減できるため、担当者が他の業務に時間を充てやすくなる点も大きなメリットです。
マニュアルを全社で統一管理することで、部署ごとのバラつきを防ぐことができます。
新人教育や業務引き継ぎ時にも、標準化された手順に沿って指導できるため、教育担当者や引き継ぎ担当者による指導作法の差異・ブレがなくなり、誰が担当しても同一の業務品質が保てるようになります。
業務内容に変更が発生した場合、該当のマニュアルを探して修正することになりますが、多くのマニュアル作成アプリはクラウド対応しており、場所や端末を問わずリアルタイムでの情報共有が可能です。
検索機能やカテゴリ分け機能も備わっているため、必要な情報にすぐアクセスでき、業務のスピードアップにも貢献します。
多くのマニュアル作成アプリはクラウドに対応しているため、飲食店や工場といった、パソコン上のマニュアルを確認しづらい環境でもすぐに閲覧することができます。
紙のマニュアルに比べると、物理的な保管場所が不要で最新版をすぐに閲覧することもできるため、管理・運用面でのメリットが大きいです。
「マニュアルをいつでも確認できる」ということが作業者の心理的な負担の軽減にもつながります。
マニュアル作成アプリは便利なツールですが、導入にあたってはいくつかの注意点もあります。ここでは、代表的なデメリットを4つご紹介します。
多くのマニュアル作成アプリは有料で、月額または年額のライセンス費用が発生します。
無料プランが用意されている場合もありますが、機能に制限があることが多く、実用性を考えると、あらかじめ有料プランを検討しておいた方が良いでしょう。
新しいアプリを導入する際には、操作方法の習得や社内周知に時間がかかる場合があります。
特に社内の担当者間でITリテラシーに差がある企業では、一人ひとりが問題なく使えるようにするため、初期段階でのトレーニングやサポート体制の整備が重要になります。
多くのアプリでは、テンプレートや既定フォーマットに沿った作成が基本となるため、自由なレイアウトや細かな表現に制約を感じることがあります。
特別なデザインや自社専用のフォーマットが必要な場合は、他の手段を検討した方がいいでしょう。
自社でアプリを導入する目的や目標を明確化することが大切です。明確化したうえで、そのアプリの導入によって自社の目標が達成できるのかを事前に検証し、期待できる成果を把握しておきましょう。
たとえば、マニュアル作成にかかる業務コストを下げたかったのに、アプリのライセンス費用やマニュアル作成・管理の社内工数を算出してみると、実際にはコストが倍になっていたなどの事例もあります。相性の悪いアプリを導入してしまうと、目的と相反する結果を招いてしまいます。
マニュアル作成アプリは種類が豊富なため、自社の目的や運用環境に合ったものを選ぶことが重要です。ここでは、選定時に押さえておきたいポイントをご紹介します。
まずは、どんなマニュアルを作成したいかを明確にしましょう。
新人教育用、作業指示用、FAQ作成用など、用途によって最適なアプリのタイプが異なります。
業種などによっても作成するマニュアルの種類が異なるため、どのようなマニュアルにするかはっきりさせてから、ツールを選ぶのがおすすめです。
画面キャプチャや目次作成、検索機能など、必要な機能が備わっているかを確認しましょう。
また、ITリテラシーが高くないユーザーでも直感的に使える操作性があるかも重要なチェックポイントです。いくら高機能でも使いこなせなければ意味がなく、無駄なコストがかかるだけになってしまうため、自社に必要な機能を見極めて選びましょう。
業務マニュアルには重要な情報が含まれるため、データの暗号化やアクセス権限管理など、セキュリティ対策が十分に採られているかを確認しましょう。
特にクラウド型を利用する場合は、保存先サーバーの安全性にも注意が必要です。
導入後、困ったときに問い合わせ・相談ができる窓口や、トラブルが発生した際に迅速にサポートを受けられる体制が整っているかも重要です。
マニュアルやFAQだけでなく、電話やチャットサポートの有無も比較して選びましょう。
無料トライアルやデモ版を用意しているアプリであれば、導入前に実際の操作感や機能を確認できます。
複数のアプリを比較検討し、自社に最も適したものを選ぶことをおすすめします。
マニュアル作成アプリを導入しただけでは効果は最大化できません。
運用の工夫を取り入れることで、より高い成果を得ることができます。ここでは、活用のためのポイントをご紹介します。
まず、アプリを使う上で「何のために使うか」「目的に応じた使い方が可能なのか」をはっきりさせましょう。
導入したアプリを使用してどのようなマニュアルを作るのか、その目的や作り方、注意点をまとめて社内で周知し、理解してもらうことが大切です。
アプリに搭載されたクラウド共有機能やコメント機能を活用しましょう。
部署間やメンバー間でリアルタイムに情報を共有でき、業務の効率化と業務品質の維持にもつながります。
業務内容は日々変化するため、マニュアルも定期的な見直しが必要です。
更新作業を習慣化することで、常に実用的なマニュアルを維持できます。
閲覧数や利用頻度などのデータを分析することで、改善すべき箇所を把握できます。
利用実態をもとに内容を見直し、さらに使いやすいマニュアルに育てていきましょう。
アプリの使い方を社内で周知し、誰でもスムーズに利用できるようにしましょう。
操作ガイドを配布したり、簡単な説明会を開いたりすることで、一人ひとりのマニュアル活用度が高まります。
マニュアル作成アプリは、業務の標準化や情報共有を効率化するための強力なツールです。手順式や動画式といったさまざまなタイプがあり、自社の目的や業務内容に合わせて適切なアプリを選ぶことで、効果を最大限に活かすことができます。「アプリを導入してマニュアル作成の業務を効率化したい」という目的であるならば、目的を達成できるマニュアル作成アプリを選びましょう。
導入によって、マニュアルの品質向上や業務効率化が期待できる一方、費用や操作習得といった注意点もあります。そのため、機能面、サポート体制、セキュリティ面を総合的に比較・検討することが重要です。
アプリ導入後は、使用目的を明確にし、情報共有や定期的な更新、活用状況の分析、社内周知などを継続して行うことが、マニュアルを効果的に活用し続けるポイントとなります。
それでも、作成アプリを導入しても「社員のリソースが割けない」「アプリを使いこなせない」「仕上がりの品質が低い」などの問題が出てくる可能性があります。
フィンテックスでは、マニュアル作成代行サービスを行っています。また、作成アプリ導入後の作成や運用に課題を感じている方、不安がある方からのご相談も承ります。ぜひフィンテックスへお問い合わせください。
つい読んでしまうマニュアル作成のリーディングカンパニー、株式会社フィンテックス
監修者
企画営業部 営業本部長 / 経営学修士(MBA)
<略歴>
フィンテックスにて、マニュアル作成に関する様々な顧客課題解決に従事。
金融系からエンターテインメント系まで様々な経験から幅広い業務知識を得て、「分かりやすいマニュアル」のあるべき姿を提示。500社以上のマニュアル作成に携わる。また、複数の大企業でマニュアル作成プロジェクトの外部マネージャーを兼務している。
趣味は茶道。
月刊エコノミスト・ビジネスクロニクルで取材していただきました。ぜひご覧ください。
https://business-chronicle.com/person/fintecs.php
2025.06.11
2025.06.11
2025.06.11
2025.06.11
2025.05.28