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業務マニュアルマニュアルコンサルティング会社紹介

飲食業務マニュアル作成のポイントと制作事例を紹介

「新人スタッフの教育に時間がかかりすぎる」「スタッフによってサービスの質にばらつきがある」などの悩みを抱えていませんか?特にチェーン展開をしている企業の場合、複数店舗のサービス標準化や品質維持に課題を抱えている会社も多いのではないでしょうか。

人手不足が深刻化する飲食業界では、これらの課題解決策のひとつとして、業務マニュアル整備に注目が集まっています。

本記事では、飲食業務マニュアルが必要な理由や、店舗で準備するべき主なマニュアルの種類や作成方法について解説します。
また、フィンテックスが手掛けた飲食業務マニュアルの制作事例もご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

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プロが解説!マニュアル作成のコツ

500社以上のマニュアルを支援してきたマニュアル作成のプロが業務マニュアルの作り方を解説しています。

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目次
飲食業務マニュアルが必要な理由
飲食店舗で必要となる主なマニュアル
飲食業務マニュアルを作成するステップ
飲食業務マニュアルの制作事例紹介
まとめ

飲食業務マニュアルが必要な理由

飲食店舗で業務マニュアルが必要とされる理由には、業界特有の業務内容や課題が密接に関係しています。ここでは、飲食業界におけるマニュアルの役割や重要性を解説します。

マニュアルの役割と効果

飲食店舗の業務は、接客、調理、清掃、衛生管理、発注など多岐にわたります。
これらの作業を口頭で伝えるだけでは誤解が生じやすく、明確な手順・ルールを示すことが求められます。

スタッフの経験・スキルの差が業務品質に大きく影響しやすい現場だからこそ、業務マニュアルは、スタッフ全員が同じ基準で業務を行うための指針となります。

また、新人スタッフの研修においても効果的です。経験の浅い人でもマニュアルを読むことで業務の全体像がわかるため、教育担当者の負担を軽減できます。

さらに、ベテラン社員にとってもマニュアルは共通の確認資料となり、判断基準を共有するためのツールとして役立ちます。

飲食業界特有の課題とマニュアルの重要性

人材流動性の高さ

飲食業界では、人材の入れ替わりが激しいことが大きな課題です。スタッフが短期間で入れ替わることも多く、そのたびに一から教育を行っていては通常の業務にも支障が出ます。
マニュアルがあれば、採用後すぐにスタッフが自ら学習を開始できるため、先輩社員による研修期間は短くなり、教育の効率化につながります。

衛生管理の重要性

飲食店ではユーザーの安全を守るための衛生管理が不可欠です。HACCPをはじめとする食品衛生の基準を遵守するためにも、誰が見てもわかるマニュアルが必要です。

クレームトラブル対応

万一のクレームやトラブルが発生したときも、マニュアルを基に対応することで、スタッフ全員が同じ認識を持って一貫した行動をとることができます。

このように、飲食業務マニュアルは単なる教育ツールではなく、店舗経営の安定やリスク回避に直結する存在といえます。

飲食店舗で必要となる主なマニュアル

飲食店舗では多くの業務が日々発生します。業務ごとに人を割り振る店舗もあれば、複数業務を1人で兼任する店舗もあるでしょう。
業務マニュアル整備の際には、業務ごとに必要なマニュアルを構成すると、現場で活用しやすくなります。
ここでは飲食業務において代表的なマニュアルを紹介します。

接客マニュアル(お客様対応・クレーム対応)

接客は飲食店舗における印象を大きく左右する業務です。

身だしなみ、挨拶の仕方、注文の受け方、料理の提供手順などを統一することで、どの店舗でも同じサービスを提供できます。

特に、クレーム対応はスタッフごとの経験値に依存しやすいため、マニュアルに基本的な流れを明記しておくことが重要です。

お客様からの要望やトラブル発生時に、誰もが落ち着いて行動できるようになります。

看板メニューのおすすめポイントや、お客様からよく聞かれる内容があれば、マニュアル内にFAQ(よくある質問問答例)のような形で記載するのも一案です。

調理・仕込みマニュアル(レシピ・調理工程)

仕込みや調理は味の均一化に直結します。レシピや調理工程をマニュアル化しておけば、複数のスタッフが調理を担当しても同じ品質を維持できます。

具体的には、使用する器具、食材の分量、火加減、盛り付け方などを写真や図解とともに示すとわかりやすくなります。

仕込み作業については「何時までにどの作業を終えるか」といったタイムスケジュールをマニュアル内に明示しておくのも良いでしょう。

衛生管理マニュアル(HACCP対応など)

飲食店にとって、衛生管理は欠かせない要素です。

HACCPに基づいた手順や、日常的な清掃・消毒の方法をマニュアル化しておくと、全スタッフが同じ基準で衛生管理を行えます。

たとえば、手洗いのタイミング、調理器具の洗浄・消毒方法、保存食品の管理方法などを具体的に示すことが効果的です。

マニュアルに基づいて行動することで、ユーザーの安全を守るとともに、店舗全体の信頼性向上にもつながります。

店舗運営マニュアル(開店・閉店業務、勤怠管理など)

店舗運営には、調理や接客以外にも多くの業務があります。

開店準備や閉店作業、シフト管理、売上の記録といった日常的な業務もマニュアル化することで、担当者が変わってもスムーズに運営できます。

特に、チェーン展開をしている飲食企業では、店舗ごとに運営方法が異なるとトラブルの原因になりやすいため、統一した基準を持つことが欠かせません。

開店準備や閉店業務などは、簡単なチェックリスト形式にして書き出すと作業中も見直しやすく、漏れなく作業を進められるでしょう。

 飲食業務マニュアルを作成するステップ

飲食業務マニュアルを効果的に活用するには、ただ内容をまとめるだけでは不十分です。店舗の現場に即した内容を整理し、誰でも理解できる形で提供する必要があります。
ここでは、業務マニュアルを作成するときに押さえておきたい基本的なステップを紹介します。

Step1:業務の洗い出し・標準化

まずは店舗で行われている業務をすべて洗い出します。

接客、調理、清掃、発注などを細かく書き出し、それぞれの手順を整理していきます。
このとき、現場で実際に作業をしているスタッフの声を取り入れると、実態に即したマニュアルになります。

業務の流れが見えてきたら、作業を標準化することが重要です。たとえば「料理を提供する際は必ず右側から置く」など、誰が行っても同じ行動になるようにルール化しておくと、サービスの質が安定します。

Step2:マニュアル作成

スタッフのリテラシーに関わらず、誰が読んでもわかる内容になっていることが大切です。
専門用語や曖昧な表現は避け、具体的で平易な言葉を選びます。

また、文章だけでなく写真やイラストを使うと理解度が高まります。
たとえば「調理器具の消毒方法」や「盛り付け例」は、文字だけよりも視覚的に示したほうが直感的に理解できます。

フォーマットも統一しておくと、マニュアル全体の見やすさが向上します。

Step3:保守・運用

マニュアルは一度作って終わりではなく、運用と更新を継続していくことが大切です。

新メニューが追加されたときや、店舗オペレーションが変更になったときには、内容を必ず見直す必要があります。
そのためには、定期的なレビューの仕組みや、更新の担当者を明確にしておくことが効果的です。

近年ではクラウド上でマニュアルを共有し、更新内容をすぐに全店舗に反映できる仕組みも広がっています。
常に最新の情報をスタッフ全員が共有できる環境を整えることが、マニュアルを活かすためのポイントです。

たとえば、スマートフォンでマニュアルを見ることができるようにしておくことで、スタッフは、スマートフォンやタブレットから見たいときにいつでもマニュアルを確認することができるため、日々の業務の中で活用機会が増えるはずです。

以前は、店内でスマートフォンを扱うことは対お客様の観点でNGとされていましたが、近年ではスマートフォンを利用した業務も増えており、マニュアル閲覧にスマートフォンを活用することを視野に入れも良いでしょう。

飲食業務マニュアルの制作事例紹介

これから業務マニュアル整備を検討する場合、他社がどのようにマニュアルを整備し、成果につなげているのか、その事例が大変参考になります。
フィンテックスでは、さまざまな形態の飲食店舗様よりご依頼をいただき、業務マニュアルを整備した実績があります。その一部をご紹介します。

店舗業務マニュアル 【カフェチェーン A社様】

課題・状況

  • アルバイト比率の高い店舗では、業務の属人化が進み、特に新人への教える側の負担が大きくなっていました。
  • 既存の業務資料が点在しており一貫性がなく、内容も文字中心でわかりにくいため、各店舗での業務品質にばらつきが生じていました。
  • 掃除の仕方など、店舗運営に関わる細かい業務ルールが現場に徹底されていない状況がありました。
  • 社内ではマニュアルの素案は作れるものの、1冊にまとめるための専門的な編集能力や時間が不足していました。
  • マニュアル制作に必要な写真撮影やDTPのノウハウも不足し、更新管理も困難な状況でした。

対応内容

  • 点在していた業務資料をひとつに集約し、視覚的にわかりやすい構成でマニュアル化しました。
  • 専任の制作チーム(プロジェクトマネージャー、カメラマン、DTP)を編成し、既存資料を基にした再構成、専門オペレーターによるDTP、プロカメラマンによる撮影および解像度調整作業など、数100ページに及ぶ作業を行いました。
  • 店舗運営への影響を避けるため、開店前・閉店後の取材対応を行いました。マニュアルに掲載する写真には現場の社員やお客様が写り込むことがないよう、外部モデルをアサインしたうえで撮影を行いました。
  • マニュアル印刷、および運用後の改訂・配布にも考慮して、二色印刷を想定したデータ作成を行いました。また、目次構成やページ番号(ノンブル)の採番の工夫を施したうえで、バインダー形式を採用しました。

効果

  • 点在していた業務情報がひとつに集約され、アルバイトスタッフがマニュアルで自己学習できるようになったことで、アルバイト比率の高い店舗でも教える側の負担が大幅に軽減されました。
  • 二色印刷により印刷コスト削減を実現するとともに、部分印刷とページ差し替えによりマニュアル改訂コストの削減にも貢献しました。
  • マニュアルを基に、店舗内で改善案の吸い上げが容易になり、その情報により本社でも改善案が検討しやすくなりました。これによりマニュアルの改善サイクルが構築され、常に最新で最適な状態に保たれるようになりました。
    結果的に、全店舗での業務品質が均一化・向上し、顧客へのサービス品質の安定にも寄与しました。

店舗マネジメントマニュアル 【菓子製造・販売会社B社様】

課題・状況

  • 現場の全スタッフに企業理念や「想い」、「姿勢」を伝えながらブランドステートメントを浸透させる手段として、業務マニュアルの整備を検討されていました。
  • 店舗業務が多岐にわたり煩雑で属人化しやすく、特に新人スタッフの教育に時間と労力がかかっていました。
  • 既存の業務関連資料は存在したものの、内容は不十分で整理されておらず、現場で活用されていない状況でした。

対応内容

  • 既存資料を収集・読み込んだうえで、新マニュアルの構成を組み立て直しました。
  • 本部ご担当者様への取材および現場(店舗)への複数回の取材により、徹底して情報を収集しました。
  • ブランドカラーを基調とし、店舗イメージに見合ったデザイン・イラストテイストを採用しました。また、オリジナルバインダーをデザイン・作成しました。
  • プロのカメラマンによる店舗撮影を実施し、解説には写真を多用することで、視覚的にわかりやすいマニュアルを目指しました。
  • ブランドとしての「想い」「姿勢」を強く打ち出すため、複数回にわたる校正・修正を行って完成度を高めていきました。
  • マニュアル印刷、および運用後の改訂・配布にも考慮して、二色印刷を想定したデータ作成を行いました。また、目次構成やページ番号(ノンブル)の採番の工夫を施したうえで、バインダー形式を採用しました。

効果

  • 体系化されたマニュアルが現場のスタッフ教育に役立ち、特に新人スタッフへの教育負担が大幅に軽減されました。
  • 標準化された手順だけではなく、企業としての「想い」や「姿勢」がスタッフに伝わることで、スタッフのモチベーション向上に寄与しました。
  • マニュアル改訂・管理業務が効率化され、業務変更に応じたマニュアル改訂・維持管理がしやすくなりました。

FC向け店舗業務マニュアル 【飲食チェーン運営会社C社様】

課題・状況

  • 大手飲食チェーンの拡大期において、何のマニュアルも用意されていなかったため、店舗運営のルールが明確でなく、各店舗の裁量に任せる属人化が深刻な課題となっていました。
  • 親会社のマニュアルと現場の資料が混在しており、整理が付いていない状況でした。特に、現場業務に落とし込むものがなかったため、体系的な知識共有ができていませんでした。
  • コロナウイルス流行により”マスク着用”という新しい状況下で、マニュアル上でも視覚情報を工夫する必要がありました。
  • 複雑な業務内容や、店舗ごとの設備の違い(例:調理器具の種類)を、どのようにわかりやすく伝えるかが課題でした。

対応内容

  • 若年層のアルバイトスタッフを主な対象読者とし、スマートフォンでのマニュアル閲覧を想定してタップで遷移するような工夫を施しました。短時間で必要な情報を確認できる仕組みを重視しました。
  • 接客編のイラストや、プロカメラマン撮影の写真を多用し、視覚で直感的に理解しやすいマニュアルを作成しました。
  • 取材・写真撮影は開店前に実施し、仕込みなどをしながら取材に応じてもらうことで、店舗への負担を最小限に抑えました。
  • マスク着用有無の両パターン写真を掲載するなどの工夫も凝らしました。
  • 店舗の設備の違い(例:異なる調理器具や燃料)に対応するため、メインとなる設備の解説をしながらも別設備の場合を分岐で記述し、異なる状況でも対応できるよう設計しました。
  • 手順とトークスクリプトを同一ページに盛り込むなど、現場で即座に活用できる実践的な内容としました。

効果

  • 若年層のアルバイトスタッフがスマートフォンで容易にマニュアルを参照できるようになったことで、自己学習が促進され、新人教育の効率が飛躍的に向上しました。短時間で情報を仕入れられる仕組みは、忙しい現場での業務習得に大きく貢献しました。
  • 体系化されたマニュアルと、店舗設備の違いに応じた詳細な記述により、店舗による業務品質のばらつきが解消され、サービスの安定化につながりました。
  • スタッフ間の情報共有がスムーズになり、より質の高い顧客サービスを提供できるようになりました。

他にもさまざまなマニュアル制作実績があります。詳細はこちらからご覧ください。

まとめ

いかがでしたか。飲食業界における業務マニュアルの位置づけをご理解いただけたと思います。

飲食業務マニュアルは、飲食店舗で働くスタッフ全員で共有すべき重要な指針となります。
接客、調理、衛生管理、そして店舗運営に関する多岐にわたる業務を、スタッフのスキルや経験に左右されず誰もが理解できるよう標準化し、マニュアルの運用・管理の仕組みまで確立することは、決して容易なことではありません。

マニュアルは完成して終わりではなく、運用と改善を繰り返すことで初めて現場に定着します。
実際に利用するスタッフの声を取り入れながら定期的に更新し、最新の店舗運営やオペレーションに対応できる状態を維持することが大切です。

自社内でのマニュアル整備や維持管理が難しいとき、限られたリソースで効率的に進めたいときは、専門的なノウハウを持つ制作会社に相談するのがおすすめです。

フィンテックスでは、飲食店舗向けに各種業務マニュアルの制作・コンサルティングに対応した実績があり、各社の課題・状況に応じたマニュアルをご提案・ご提供してきました。
興味のある方は、ぜひ一度お問い合わせください。

監修者

監修者の写真

中丸 貴仁

企画営業部 営業本部長 / 経営学修士(MBA)

<略歴>

フィンテックスにて、マニュアル作成に関する様々な顧客課題解決に従事。 金融系からエンターテインメント系まで様々な経験から幅広い業務知識を得て、「分かりやすいマニュアル」のあるべき姿を提示。500社以上のマニュアル作成に携わる。また、複数の大企業でマニュアル作成プロジェクトの外部マネージャーを兼務している。 趣味は茶道。
月刊エコノミスト・ビジネスクロニクルで取材していただきました。ぜひご覧ください。
https://business-chronicle.com/person/fintecs.php


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